中国では都市部の急速な発展とは対象的に、地方の農村は発展の波に取り残されてきた。貧困者人口は減り続けているようだが、それでも農村が都市の生活水準に追いつくために克服しなければならない課題は山積みだ。そんな中、中国の農業の生産性を一気に向上させ、農村経済を発展させるきっかけになり得る「無人農場」が安徽省に出現した。
安徽省亳州市譙城区にある同省初の「無人農場」モデル基地が6月8日に正式に運営を開始した。今はちょうど小麦の収穫期にあたり、現地では農家たちが収穫に勤しむ姿が見られるが、この農場では人影は見当たらず、麦を刈り取る機械の音が止むと畑はひっそりと静まりかえる。無人の機械たちが人間に代わって麦をどんどん収穫しているのである。
無人の刈取機は、予めプログラムされたルートを通って麦畑に入り、自力で麦を刈り取った後、箱がいっぱいになったら一旦畑から戻って収穫した麦をトラックに積み込む。そしてまた畑に戻り、刈り取り作業を続けるのだ。機械の作業は現場から10キロ離れた十河鎮大周村の農場にある巨大電子スクリーンを通じて遠隔監視を行っている。
「無人農場」にある各農機は、北斗衛星測位システムによって自身の「居場所」を常に把握している。IoTを駆使してリアルタイムのデータ伝送を行い、種まきから収穫までの全行程での無人化を実現したことで、経済効率は30%以上も高まったという。また、農薬の散布や追肥、収穫時期の判断など、これまで人間の勘に頼ってきた部分をAI分析によって実現、まさに「人は後ろで見守るだけ」の全自動型農園となっている。
この「無人農場」は面積20ヘクタールで、小麦とトウモロコシの輪作を行う。技術的な部分は華南農業大学や安徽省のIT企業が担当している。同区の農業技術普及センター関係者は「技術の力で農家の増収が期待できる。農村振興に新たな技術のエネルギーが注入された」と今後の普及に期待を寄せている。
(出典:http://www.bozhou.gov.cn/News/show/487138.html)
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