暑い日が続く台湾、今週一週間は非常に激動の一週間であった。
まず、6月23日には警戒レベル3が7月12日まで継続されることが決定した。
感染者が二桁の日が続き、安堵の声が少しずつ出てきてはいる台湾だが、やはり各地でクラスターが発生しており、家庭内感染も発生していることから延長が決定された。
これにより閉店を余儀なくされる店もますます増えてしまった。コロナが台湾で蔓延して以来、海外からの観光客だけでなく地元客ですら失った店舗経営者は売り上げに更なる打撃を受けている。西門町では少なくとも24店舗(その後の報道では40店舗とも)が閉店している。
ガラガラになったホームセンター
外出を控える人が多くなった事で洋服の販売数も激減
25日は日本政府による100万のA社ワクチン追加提供が発表され、日本への感謝の声が多く上がった、その翌日にはペルーからの帰国者をきっかけにデルタ株が屏東で市中感染を起こした事から、ワクチン接種を急ぐ台湾にとってこのタイミングでの提供は非常に有難いものであった。(その他23日にはリトアニアからのA社ワクチン提供も発表され、今週は台湾自ら購入したM社ワクチンも到着。)ワクチンの不足により政府への批判が高まっている台湾、他国からの寄付でないとやっていけないという現状が非常に気の毒だ。
A社ワクチン接種後の死亡案件もその後増え続けており、現在既に200名を超している。(政府は現在の段階で44人の解剖を実施しているが33人に持病があった事等を含めワクチンとの直接的な関連性を否定し続けている。)
日本のネット上ではこれらの接種後死亡ニュースを“ただのフェイクニュース”として、亡くなった人達をさも“当たり屋“のように扱う書き込みや記事を目にするが、それを聞いた台湾人が非常に悲しんでいる事もぜひ覚えていてほしい。台湾ではワクチン接種後の急死を「ワクチンと無関係」と言い続ける政府に「冷血」と批判の声が多く上がっている。
確かにデータで見たら高齢者の死亡は日常でもよくあることだ、しかしながら家族を亡くした人にとっては大切な家族との突然の別れは悪夢のような出来事であったであろう。
国と国との関係、裏事情、責任問題、どうこういう以前に、命を落とした人々へのほんの少しの哀悼の気持ちも持つべきだと思う。
台湾人はたとえ他人でも人の不幸や死を自分の事のように悲しむ。心が純粋で優しさに溢れた人が非常に多い。最近の日本は人の死に対しても随分と冷酷になった人が多いのが非常に残念だ。
コロナの一刻も早い終息を祈るばかりだ。
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