開幕まで1カ月を切った北京五輪。現地の各会場では開幕に向けて急ピッチで作業が進んでいることだろう。今や世界をぶっちぎるIT大国になりつつある中国での開催ということで、5G通信を利用した様々な先進技術が大会を盛り上げそうだ。
まず、スピードスケートの競技会場である「氷絲帯」では、チャイナ・ユニコム(中国聯通)が開発した無人インタビュー技術が導入される。新型コロナの感染対策として、これまでの選手と記者が接触する場であるミックスゾーンでのインタビューに代わり、選手と記者がそれぞれ異なる場所でテレビ画面を通じてインタビューを行うというもの。5Gネットワークを利用することにより、高速かつ低遅延で鮮明な映像のやり取りを行うことができるのだ。
「氷絲帯」などの会場ではまた、現場の観客向けに提供されるスマート技術もある。観客がエッジコンピューティングプラットフォーム上のアプリケーションにアクセスすることによって、目の前で行われている試合を360度のアングルから好きな視点で見たり、VRによってまるで選手と同じ場所にいるかのような臨場感を味わったりすることができる。勝敗を決する大事なシーンや感動的なシーンを自分の好きなアングルで見られるというのはとても魅力的だ。
さらに、5G通信を駆使した最新技術は、大会の安全性をさらに確保する上でも大きく貢献する。アルペンスキーは冬季五輪の中でも特に危険度の高い競技であり、選手の命に関わりかねない大事故が起きる可能性が高い上、会場が山地であるがゆえに負傷者の輸送や応急治療に大きな困難が伴う。そこで、5G通信を用いた遠隔医療システムが負傷者のバイタルサインをリアルタイムでキャッチし、データを医療センターに送ることで、少しでも早い応急処置が取れる体制を作る。また、スマート医学映像遠隔プラットフォームにより、医師が離れた場所で負傷者の医学的画像、映像を確認することができる。このほか、リアルタイムの気象データ伝送により、競技の安全な運営を確保する。
各国のアスリートが一堂に会する五輪の運営で大きな課題になるのが、多言語間の意思疎通の問題だ。北京五輪では、冬季五輪のシーンに特化した多言語の音声認識、機械翻訳、自動案内機能を搭載したプラットフォームを開発し、端末を設置する。今回のために開発されたシステムでは、中国語と英語、ロシア語、フランス語、スペイン語、日本語、韓国語などの主要言語間の通訳精度が95%以上で、1フレーズ平均の翻訳所要時間は0.5秒以内とのこと。ほぼギャップのないコミュニケーションが可能となりそうだ。
新型コロナオミクロン変異株の世界的な拡大、そして中国国内でも北京のお隣天津で感染者が見つかるなど、新型コロナの脅威を受けながらの開催となる北京五輪。無事に開かれ、感染対策が十分に施された中でアスリートたちが全力のパフォーマンスを見せてくれることを願いたい。
(出典:https://finance.sina.com.cn/tech/2022-01-12/doc-ikyakumx9861316.shtml)
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