高精細画面、カメラ性能向上、5G通信など、進化が止まらないスマートフォン。どんどん機能性が高まるのはユーザーにとって嬉しいことだが、気になるのは「高性能になるほどバッテリーを多く消耗するのでは?」という問題だ。この問題を解決すべく、より高性能なバッテリーを搭載して容量を増やす試みが行われると同時に、急速充電技術を高める取り組みも絶えず進んでいる。ちょっと前なら何時間もかかっていたフル充電が最新機種なら20分ほどでできてしまうのだから、技術の進歩には目を見張るものがある。
充電スピードは本体や充電器、ケーブルがどれだけの出力に対応しているかによって決まる。5V1Aの5Wがスタンダードだが、5V2Aの10Wの急速充電に対応するケースも増え、iPhone 12は9V2.2Aの20Wにまで対応するようになった。中国メーカーは特に急速充電の開発に積極的であり、昨年OPPOが20V6.25Aの125Wという超高速充電技術を発表すれば、Xiaomiも80Wのワイヤレス充電技術を発表するなど、激しい競争を繰り広げている。
そんな中、両者のさらに上を行く160Wの有線超高速充電技術を開発しているという中国のメーカーがある。それは伝音科技(トランシオン)だ。ちなみにこのメーカーのスマホ、中国ではほとんど知られていない。なぜなら、アフリカ市場向けに生産、販売しているからだ。他メーカーがアフリカ市場に目を向けていなかったフィーチャーフォンの時代から市場開拓に乗り出し、今やアフリカ地域では知らない人はいないほどの人気を誇るメーカーなのである。
160Wの有線充電技術は、同社の高級スマホブランドInfinixの「Concept Phone 2021」に搭載されているとのこと。4000mAhのバッテリーをわずか11分でフル充電してしまうパワーを持つ。パワーが強くなるとどうしても充電中の温度が上昇するのだが、この機種はXiaomiなどの超高速充電対応機種よりも低い温度に抑えることができるという。
ローエンドではアフリカで無類の強さを発揮してきた伝音も、ハイエンド分野ではサムスンや同じ中国メーカーのOPPOといったライバルと激しい戦いを繰り広げている。超高速充電は電気が使える場所が限られているアフリカで特に高いニーズがあるとのことで、世界トップクラスの急速充電技術を搭載したコンセプト機を世に出して「ハイエンドにも強い伝音」のイメージを現地の消費者に植え付ける狙いがあるようだ。
なにはともあれ、急速充電技術の発展は実にめざましい。「寝ている間にフル充電」がやがては「お風呂に入ってる間にフル充電」、「トイレに行っている間にフル充電」となり、そう遠くない未来には「一瞬置いただけでフル充電」なんてことになるかもしれない。
(出典:https://t.cj.sina.com.cn/articles/view/5061312402/12dad7f92020013ukd)
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