日々進化を遂げているデジタル危機の中でも特に成長が著しい分野の一つが、ディスプレイだ。真空管を用いた巨大な箱だったテレビがやがてブラウン管になり、さらに液晶、有機ELといった新技術が開発されると、ディスプレイはどんどん薄く、そして美しくなっていった。そして今や、曲げたり折りたたんだりすることのできるディスプレイも登場し、さまざまな情報を表示できるディスプレイの利用価値はますます高まっている。
ディスプレイ業界が目指す次の技術は、自由に伸縮できる弾力性、柔軟性を持ったディスプレイの開発だという。自由に形状を変えられれば、どんなものにも張り付けることができる。すなわち、どんな場所にでもディスプレイを設置することができるようになる、非常に画期的な技術なのだが、5月に開かれた国際情報ディスプレイ学会(SID)のオンライン展示会で、広東省深セン市柔宇科技有限公司が自社開発の「マイクロLED柔軟ディスプレイ」技術を発表した。これまで難しいとされてきた、柔軟ディスプレイの設計、プログラミングなどでブレイクスルーを実現したという。
同社の説明によれば、このディスプレイは薄い、巻いたり折り曲げたりが可能という特徴に加えて、伸ばしたり捻じ曲げたり、回旋させたりすることができ、伸び幅は130%に達するというからかなりのストレッチ力だ。また、ディスプレイ表面に凹凸を作ることもでき、突起の頂点と平面からなる狭角が40度にまで対応しているという。そして、液晶や有機ELよりも輝度が高く鮮やかな発色が可能で、消費電力も低く抑えられるマイクロLEDを採用したことで、高い画素密度(ppi)も実現したとのことである。
さらに、このディスプレイの光透過率は60〜70%に達するため、自動車のフロントガラス、天窓や、ヘルメット、サングラスなどの表面に用いることができる。AR技術と組み合わせることにより、車内のあらゆる場所に様々な情報を表示することができるため、より直感的でリアルなナビゲーションシステムを作りあげることが可能になるのだ。
柔宇科技では柔軟ディスプレイのほかに柔軟性のある素材を用いたセンサーなども開発し、製品やソリューションプランを生み出している。将来、「柔軟性」のある電子デバイス技術がさらに発展することで、人びとの生活様式、コミュニケーション様式もより「柔軟」なものへと変化していきそうだ。
(出典:http://www.ce.cn/cysc/tech/gd2012/202106/20/t20210620_36654744.shtml)
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