毎日の感染者数が40人を下回るようになった台湾。7月8日には18人にまで落ち着き、コロナの押さえ込みに向けて着々と進んでいるようだ。
しかしながら、まだまだ各地で感染者が確認されている事から、今月12日には解除予定であったレベル3をまた更に26日まで引き延ばす事となった。
当初政府からはソーシャルディスタンスや人数制限を行った上での店内飲食の再開が発表されたが、各県や市の強い希望によりほぼ全ての地域で12日以降も店内飲食の禁止が続投される事となった。市民の間からも、まだやはり感染リスクがある事から店内飲食に抵抗があるという意見が圧倒的であり、外食文化が中心であった台湾人のコロナへの意識の高さが伺える結果となった。
しかし、少しずつではあるが日常生活を取り戻そうという動きも感じられる。
かつて日本人観光客で賑わっていた迪化街の様子
仕事の関係で久しぶりに台北の街を歩いてみたが、やはりどこもシャッターが目立つ通りとなっていた。
縁結びの神様が祀られているとして有名な霞海城隍廟 現在は参拝も禁止されている
店内飲食禁止が続く事で飲食店は多大なダメージを受け、かつて賑わった街では閉店ラッシュが起きている。現在多くの飲食店が生き残りを賭けてテイクアウトの弁当を販売している。毎日食事時の前になると路上に即席コーナーを設け、道を歩く人々に一生懸命に売っている姿を見かける。
ホテルも生き残りに必死、道路に弁当の広告を出し客寄せをしている
7月8日には日本から113万のA社ワクチンが届き、また台湾じゅうで日本への感謝の声が聞かれた。そしてまた更に第三弾となる100万のA社ワクチンの提供が発表されたところだ。
ただ、政府によるワクチン接種の希望者を統計し、最終的に予約ができるアプリのシステムによると、実際にA社のワクチンを受けたがっている人は少ないのが現実である。7月13日に開始された18歳から49歳へのワクチン接種希望登録においては、登録した485万2553人のうち、A社のワクチン接種を希望したのはたったの1.3%、M社のワクチンを希望した人は63.84%もいるのだ。
現在政府は必死に「今自分が打てるワクチンを接種するように」と呼びかけているが、やはりあれだけ接種後死亡のニュースが出れば、実際に体内にそのワクチンを入れる側としては拒否したいに決まっているだろう。そもそも以前から書いているように、日本から送られる前から台湾ではA社のワクチンは嫌われてしまっていたのだ。
こんなニュースは日本では決して報道されないであろう。もし報道されたとしても、やれフェイクニュースだ陰謀だとかき消されてしまうことであろうが、せめてこちらで聞こえてくる声としてお届けしたい。
それでも日本に感謝し続けてくれる台湾人には頭が下がる思いだ。コロナの一刻も早い収束を願ってやまない。
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