上海の朝、通勤途中で朝ごはんを購入する人は多い。コンビニ朝食をする人もいるが、朝も暗いうちから、朝ごはんを専門で販売する移動式スタンドや飲食店がオープンする。
これまでの朝の定番屋台はこんな感じ!(上海)
目の前でつくって販売する朝ごはんに行列ができる光景も珍しくはなかったが、この朝ごはんの販売スタイルも多様化してきた。
朝ごはん用のキッチンカー登場(上海)
例えば、2020年11月、KFC(ケンタッキーフライドチキン)は上海で、北京の移動智能企業・「新石器(ネオリックス/Neolix )」とコラボレーションした無人運転キッチンカーの試験的運用をスタート。
KFCの無人運転キッチンカー(上海)
上海・浦東地区の某地下鉄駅付近に登場したこのキッチンカーは、無人自動運転で走行する新しい販売スタイルとして、一躍話題になっている。
現時点で稼働している無人運転キッチンカーは3台。1日の勤務時間は、朝7時30分から夜8時までという働き者のキッチンカーである。
朝の出勤ラッシュ時にも便利なキッチンカー(上海)
何と言ってもこの無人運転キッチンカーのすごい!ところは、無人運転なうえに、手をあげると停まること。さながら「歩く自動販売機」といったところ。
購入するには手をあげて、キッチンカーをとめる!(上海)
食品の補充を除けば、販売の全プロセスにおいて、スタッフの手を一切必要としない全自動で、最新の機能やセンサーを搭載することで、安全で衛生的なサービスの提供を実現している。
操作に慣れると、十数秒で購入可能に!(上海)
利用方法は、いたってシンプル。車体にあるQRコードをスキャンし、スマートフォンの画面で、注文&支払いを完了。支払いが済むと、購入した商品が入っている部分のドアが開くので、自分でピックアップする仕組みだ。
中国でKFCの経営を担当している百勝中国(YumChina)によると、現在、上海で提供している朝メニューはセットメニュー3種。「ピータン粥+揚げパン」、「肉デンブ巻き(中華風おにぎり)+豆乳」、「フランス風クロワッサン+豆乳」といった中国と西洋の折衷メニューで、KFCの朝食メニューの中でも人気商品の組み合わせ。
お子様も中の様子に興味津々(上海)
実際に現場で見ていると、一番人気は「肉デンブ巻き(中華風おにぎり)+豆乳」のようだ。価格は10元前後(約160円)。
さらに、現地では、基本的に食事は冷たいものや冷めたものは好まれない傾向があるため、無人運転キッチンカーの保温ラックの温度も65度に厳しく管理されている。
安全運行でサービスの多様性を拡大!(上海)
また、現状では、無人運転キッチンカーの走行速度は時速5〜10キロに設定されている。走行中の安全はどうなの?というと、この無人カーを開発した新石器は、「世界でもトップレベルのL4クラス自動運転技術で、マルチソース融合感知測位システムを搭載。自動走行中に周囲での障害物を感知すると停車する、など安全性を多重に保障」と安全管理については、技術サポートも徹底していると語る。
赤と白が鮮やかな無人運転キッチンカー(上海)
この無人運転キッチンカーは、まだ試験的に導入されている段階だが、“食”に対して個性化していく市場ニーズに対応するサービスとしてますます出番が増えそうだ。
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