昨年、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言により日本でも学校が長期間休校となり、オンライン教育に対する関心や注目が高まった。そして、オンライン授業に向けた取り組みが加速するように見えたが、宣言が解除されて授業が再開されると、その勢いは弱まったように感じられる。一方、早い時期に大規模な感染を抑え込み、すでに平常な生活が戻っている中国では、むしろオンライン教育が新たな産業として急速に発展しつつあるようだ。
中国のオンライン教育産業をリードする大手企業の1つで、400万人を超える会員を持つ猿輔導は昨年、全国3800万人の小中学生・高校生に対して無償のオンライン授業を提供して新型コロナの感染拡大で学校にいけない子どもたちの学習を大いにサポートした。そして、規模の拡大により講師やチューターなど1万人の雇用を新たに創出したという。また、使用する教材も全国共通のテキストに加え、各地方のニーズに合わせた個別のテキストも続々と開発しているほか、カリキュラム作りについてもAI技術を大いに利用し、独自の学習行動データバンクを通じて個々の児童、生徒に合った学習計画を作り、弱点を克服し、長所をさらに伸ばす学習効果を実現したとのことだ。
さらに、貧困地域における学びの機会を確保する取り組みにも積極的に参加しており、昨年4月には中国教育部が立ち上げた貧困地域の教育支援(扶智)計画のもと、貴州省や甘粛省などにある27の貧困県に対し、総額およそ10億円規模の学習リソース支援を行った。この支援の恩恵を受ける児童や生徒は50万人を超えるそうである。
オンライン決済の爆発的な普及に始まり、日々新たな分野の開拓や試みが進められている中国の「オンライン産業」。その中でもオンライン教育産業は、今後飛躍的な発展を遂げる分野の一つになりそうだ。
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