食欲と芸術の秋、上海でアートのようなスイーツが楽しめる斬新ながらもほっこりするデザートカフェを紹介。
上海の定番観光スポットの一つ「田子坊(古い住宅などをリノベーションした路地裏の商業エリア)」付近にオープンしたのが、中国の伝統と現代アートを融合させた本格的なデザートが楽しめる「折甜(ヂャーティエン)」。
パティシエ・Kai氏が描くアートスイーツの世界(上海)
SNS映えするデザートメニューがネット中心に話題を集め、口コミでも人気が広がっている。
「折甜」は、スペイン・バルセロナのEspai Sucre Schoolを卒業し、ミシュランの星付きレストランのペストリー部門で約10年以上の経験もつベテランのパティシエのKai氏が満を期して開店したデザートカフェで、洗練された技と芸術的センスで数々の「アートスイーツ」と呼ばれる創作メニューを提供している。
店の名前である「折甜」の由来は、欧陽脩の「折得花枝犹在手,香満袖〜」からだと紹介するKai氏。
落ち着いた空間を演出する東洋文化による設計(上海)
店内の設計にもこだわり、イタリア人の著名設計師による蘇州の“園林”をイメージしたデザイン。一見、日本の「枯山水」を彷彿させるが、Kai氏によれば、東洋のテイストとして、日本の“わびさび”という独特の美意識も設計のエッセンスになっていると言う。
確かに店内には、大きな石のテーブルが2台あり、全体的に落ち着いた空間を演出。この空間に色鮮やかなデザートが登場すると、まるで一枚のキャンパスに描かれた絵のような世界観が目の前に広がる。
次々と繰り出される芸術の技(上海)
メニューで一番人気は、デザートプレートの大作「画展」。注文を受けると、各テーブルで丁寧にデザートプレートを仕上げてくれる。ライブ感満載で、その都度、自由に“絵心”を発揮するため、一枚として同じ“作品”がなく、まさに「一期一会」のデザートプレートになる。
デザインプレート「画展」は3〜4名でシェア!(上海)
店内のメニューについて、Kai氏は、日常によく見られる食材や中国の伝統文化からインスピレーションを得ていると紹介する。
例えば、女子に圧倒的な人気を誇る「胭脂(紅)」。器には景泰藍(銅製の七宝焼 の一種)を用い、中にラズベリー、ライチ、ローズをベースにしたムースが可愛らしく飾られている。美しすぎて、崩すのがもったいなくて食べられない。最後に筆を使ってパウダーをふりかけ、デザートを完成させる体験も大人女子には魅力的だ。
美しすぎて崩すのがもったいない「胭脂」はマスト注文の一品(上海)
もちろん、見た目の美しさだけではなく、食感も新感覚で、想像を超える味わいが口の中に広がる。
国民的調味料⁉︎老干媽(ラオガンマー)を使ったスイーツ!(上海)
「これからもイマジネーションをふくらませる“作品”をつくり、来店客を楽しませたい」。爽やかに語るKai氏がつくる繊細なデザートのクオリティだけではなく、定期的にメニューを一新する飽くなき探究心、そして意欲的に取り組む姿勢も人気の秘訣かもしれない。
折甜(建国中路店):上海市建国中路125号
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