新型コロナの世界的な感染拡大が始まってすでに1年半。その出口はいまだに見えていないものの、ワクチンや治療薬の研究開発が日々進むとともに、コロナの予防や治療に役立つ機器が次々と世に送り出されている。9月2〜7日に北京で開かれた2021年中国国際貿易見本市の会場にも、新型コロナ関連の最新機器がお目見えした。その一つが、世界初のPCR検査用検体自動採集するロボットで、多くの来場者から注目を集めた。
このロボット、「鵬程青耕」という名前がつけられており、古代中国の地理書・山海経(せんがいきょう)に登場する、疫病退散の効果を持つという妖鳥「青耕」にちなんだものだという。日本で言えばアマビエのような存在だろうか。開発したのは浙江省杭州市の技術メーカーと、広東省深セン市の病院グループで、人工知能によるロボットアーム制御、自動定位などの技術を駆使して研究開発が進められたとのことである。
会場に設置されたブースでは、「鵬程青耕」がマネキンを相手に実演を披露。ロボットの視覚システムにより対象者の顔面と鼻孔の位置を精確に測定すると、検体採集用の綿棒を持ったアームがゆっくりと鼻孔に近づき、綿棒を鼻孔に入れて粘膜から検体を採集して戻る。力の入れ具合も人工知能がしっかりと制御しており、鼻の奥に綿棒を思い切り突き刺すような乱暴な振る舞いはしないようだ。綿棒を取り、顔の位置を判断し、検体を採集し、自己消毒を行うという一連の流れを全て自動で行える。これによりPCR検査の無人化が実現でき、検査スタッフの感染リスクを低減することができるのだ。
「鵬程青耕」を開発したメーカーのCEOは、感染リスクの低減だけでなく、PCR検査のコストダウンや医療スタッフの労働強度低減も期待できると語っている。綿棒を鼻に突っ込むという検体採取の方法は決して快適なものではなく、検体を採取する医師やスタッフからぐりぐりと乱暴にやられはしないかという恐怖感がつきまとう。その作業をロボットにお願いするというのもなかなか勇気を必要としそうだが、今後中国国内でどこまで普及していくだろうか。
(出典:https://world.huanqiu.com/article/44eTvbzrO2X)
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