香港のアフターヌーンティ市場が進化中だ。元イギリス領の香港では、今もなおアフターヌーンティの習慣が残っている。
それはガイドブックなどで紹介されるような、ホテルの豪華な3段重ねの銀のトレーに盛られた美しいケーキの数々を指すこともある。
しかし一般庶民が日々通う茶餐廳(簡単な食事や軽食ができるローカル食堂的な位置づけ)でも、午後の時間帯はアフターヌーンティを提供している。最も茶餐廳でのアフターヌーンティはいたって香港式。朝食や昼食で出されている軽食メニューの量を少なめにして、値段を下げて提供する事をアフターヌーンティと呼んでいることが多い。
いずれにしても、アフターヌーンティという行為は香港に強く残っている食文化の一つであるといえる。
そしてそのアフターヌーンティの最近の進化が、目にみえて凄いのである。
この写真は最近SNSをにぎわせているある高級上海料理レストランのアフターヌーンティセットの一部。ここのレストランでは中国式のアフターヌーンティを提供している。
パッと見て豪華で種類も豊富。数年前まで中国式のアフターヌーンティを提供する所もあったが、ここまでぱっと見て目を引くラインナップは珍しいのではないだろうか。そしてこのセット、値段もさほど高くない。非常にお得という事もあって、このレストランでは予約を取ることも難しい状況だという。
ではこちらのアフターヌーンティに含まれる内容を少しご紹介してみたい。
まずは香港式ドリンク。お肌や身体に良い健康的なドリンクや香港ならではのマンゴーを利用した楊枝甘露からドリンクを選ぶことができる。
左はお肌に良い鳩麦とレモンのドリンク
右はマンゴーとタピオカ、ザボンを使った楊枝甘露ジュース
大きな蒸篭に入った2名分の点心が4種類。味は勿論のこと、見た目にもこだわった内容。
点心の横に置かれた皿は付け合せの品。
小籠包、帆立と蝦の餃子、アワビとハムの餡入りパイ、カスタードクリーム入りの饅頭
アペタイザー数種類とメインの鳩のスモークが盛られた蒸篭。アペタイザーは点心、鳩の合い間にお茶受けのように食べられる6種類が選ばれている。特にトリュフを載せたスモークエッグはこの店でよく知られている一品だ。
鳩のスモークは1人半サイズ。鳩が出てくるアフターヌーンティは初めてではないだろうか。
アペタイザー6種と鳩の盛り合わせ
これだけではない。最後は小さめの椀に入った麺が出てくる。この麺も2種類から好きなものを選べるようになっている。
雪菜(ピクルス)、豚肉などを載せた上海風ヌードル
ちょっと豪華なアフターヌーンティというとケーキやスコーンが出てくるものだというイメージを覆した、中華オンリーのメニューが揃っている。このレストランだけではなく、今やSNSを開けばこのような中華風の豪華なアフターヌーンティを提供する店を見つけることができるようになってきた。
尚こうしたアフターヌーンティの進化は、コロナの為に食事制限が行われるようになってから目立った躍進をしているように感じる。
少し前まではコロナの為の規制が厳しくレストランで夕食取ることができなかった。その為、昼食の後の中途半端な時間帯に少しでも多くのお客を呼びこむためにレストラン側が検討を重ねた結果ではないだろうか。
食の都香港。たとえどんな事があっても苦境を乗り越える度に新しい前進を遂げ、そして益々バラエティ豊かな食のラインナップがうまれてていくのであろう。(文/写真 香港コーディネーター 矢島園子)
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