香港の人が朝食や午後のアフターヌーンティタイムなどに好んで食べるものの一つに、菠蘿包(ボーローパオ)・菠蘿油(ボーローヤウ)というパンがある。こちらの写真がその菠蘿油と呼ばれているパンだ。
香港人が大好きな菠蘿油(ボーローヤウ)
菠蘿包は、パン生地の上にクッキー生地を載せてサクサクこんがりと焼き上げたパンのこと。その風貌や食感から、このパンを“香港式のメロンパン”と言う日本人もいる。そして菠蘿油とは、菠蘿包の間に惜しげもなく厚く切ったバターを挟んだものを指す。
この菠蘿油のバターはカロリーを気にする日本人、特に女性をビックリさせてしまう事もある。しかしこれだけ厚切りのバターを挟んでいても、香港の人びとは躊躇なく美味しそうにぺロリと食べてしまう。実際サクサクのパンと少し塩気を含んだ厚切りのバターの相性はぴったり。お腹も心も満たされる時間を味わうことができる。
このパンを食べられるのは一般的な茶餐廳(香港のローカル食堂)が多い。朝食や午後の下午茶(アフターヌーンティ)の時間に菠蘿包・菠蘿油を提供する店が多いようだが、中でもお店の中に竈(かまど)がある所は焼きたてを食べられるとあって、朝食やアフターヌーンティの時間には行列になる事もある。
ちなみに菠蘿油の食べ方は人によって様々。香港ローカル食堂の茶餐廳等で相席になった人の食べ方を見ていると、フォークでパンを潰して薄く食べやすくしながら食べたりしている人も多い。
また最近では進化系の菠蘿油がでてきており、バター以外にもハムや目玉焼きを挟んだまさにボリュームたっぷりの菠蘿包も出現して人気を集めている。色々食べ比べて自分の好みの店を開拓するのも楽しみの一つだ。
菠蘿包・菠蘿油以外でよくみかけるメニューも少しご紹介してみたい。
こちらは誰もが知っている香港を代表するおやつ、エッグタルト。菠蘿油などのパン類を置いている茶餐廳やパン屋で、よく見ることができる。ちなみにこの写真のエッグタルトは香港式。クッキー生地の土台にカスタードを載せてプリプリに焼き上げている。
香港式エッグタルト
またドリンクの種類も豊富に揃っているが、暑くなってくると冷たいものが飲みたくなる。こちらは香港式の冷たいレモンティー。10年ほど前までは5-6枚の厚切りレモンが入っているレモンティーも少なくはなかった。最近は物価も上がってきておりこの写真のような4枚のスライスが入っていれば上等といったところ。このレモンは、スプーンでガシガシと潰して飲むという人が多い。
レモンがたくさん入ったアイスレモンティー
美食の町香港では、高級なものからストリートフードまで多くの香港ならではの食べ物を見つけることができる。
こういった香港ならではの食事事情も、今後少しずつご紹介をしてみたい。(文/写真 香港コーディネーター 矢島園子)
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