医療分野におけるロボット導入が進む中国でこのほど、世界初となる手術用ロボットを用いた肺腫瘍切除の日帰り手術が行われ、成功した。
■入院時間24時間以内の肺腫瘍切除手術に成功
12月12日、湖南省長沙市の中南大学湘雅医院で肺腫瘍切除の日帰り手術が行われ、術後12時間以内に患者が無事退院した。手術前の時間も合わせて、入院時間は24時間にも満たなかったとのことで、世界で初めてとなる外科手術用ロボットを用いた肺腫瘍切除の日帰り手術が無事成功した。
■医師が語る、ロボット導入による手術のメリット
同医院胸部外科の張春芳主任は「これまでであれば胸腔鏡手術を採用してきたケース。今年、手術ロボットのダヴィンチを導入したことで、患者を負担がより少なくして手術ができるようになった」と語る。1つめの大きなメリットは、操作システムが360度の視野を持ち、さらに患者の体内で5~10倍のズームが可能であり、より精度の高い操作ができる点だという。2つめは、従来の胸腔鏡では肋間に12ミリの穴を開ける必要があったが、ロボットを用いた手術では8ミリで済むとのこと。これらのメリットにより患者の負担が小さくなり、術後の痛みも軽く、早い回復を実現できるのだ。
■加速度的に成長する、中国の手術用ロボット市場
張主任は、今回の成功を踏まえ、高効率で低コストであり、なおかつ院内感染リスクが下げられ、患者の体にも優しい、ロボットを用いた日帰り手術をさらに発展させたいと考えている。中国では政府による支援もあって2010年ごろより手術用ロボット業界が急発展段階に入り、市場規模が拡大。2017年に4億2000万元だった市場規模は19年には7億3400万元にまで増えた。さらなるニーズの高まり、政策の充実により、中国の手術用ロボット市場はさらに成長が加速しそうだ。
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