目を覆いたくなるようなニュースに世界じゅうが不安と悲しみに打ちひしがれた今週。ロシアによるウクライナ侵攻のニュースは台湾でも分刻みで更新され、人々はネットニュースを食い入るように見ている。
今週の台湾は68日ぶりに感染者ゼロを記録し、ゼロを意味する「加零(ジャーリン)」の語呂合わせで「嘉玲」という喜びを表す2文字を用いて祝福ムードを表現している。とはいえ専門家の意見によると3月〜5月には台湾人の集団免疫が5割以下になると言われており、3打目のワクチン接種が急がれる。
台湾でのコロナは落ち着きを見せてきたようだが、まだまだ海外観光客の受け入れにはかなり慎重なようで、日本人観光客相手の店舗経営者達はやや諦め半分といったところだ。
コロナにより最も打撃を受けたエリアといっていいのが「台湾の原宿」と呼ばれる西門町(シーメンディン)だ。以前もコロナ禍の西門町の様子をレポートしたが、時が経つにつれますますシャッターが目立つ町となってしまった。
パフォーマンスをする大道芸人の様子
コロナの感染も落ち着き、町は若者をはじめとする地元民で活気付いたように見えるが、かつての賑わいは消えてしまったようにも見える…。
もはや見慣れた光景になってしまったシャッターの並び
このエリアは不景気が続いたコロナ前には101があるエリア「信義區」と並び、多くの観光客で賑わい、活気がある事で知られていた。それにより土地代が徐々に上がり、それが仇となってしまったのだ…。
メイン通りではない通りの店でも月々の家賃は40万元(日本円で約160万円)と言われており、光熱費等を合わせても1日に1万元以上を稼がなくては経営が成り立たない。そこにきて2021年5月に蔓延が起こったことで、コロナ前の1割も稼げない店が大半となったのだ。
一等地にあるケンタッキーは閉店後空の状態が続いている
その隣にある幸福堂は自らの看板を取り外し、他社による広告料で凌いでいる
以前も紹介した幸福堂プロデュースの鍋料理店
かつては蒸気を口から吐く黄金の龍が華やかであったが、コロナが始まった後は龍を取り外し、高級路線から520元の食べ放題に方向転換した。その後さらに価格を下げ、現在は388元に。地元の若者をなんとかして取り込もうとしている。
日本人にもショックなのが「マツモトキヨシ」の閉店
家賃の高さから閉店後に次の店がなかなか決まらないというのも厳しい現状である。次に日本人観光客が来る頃にはあまりに変わってしまった町の風景に愕然とするかもしれない…。
2年以上続いているコロナ、3年目に突入した事で更なる閉店ラッシュが起きると言われている。世界じゅうが安心して暮らせる平和な日が来る事を願ってやまない。
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