「リニアモーターカー」というと超高速リニア、夢の超特急といったイメージを抱きがちだが、日常の移動や通勤通学に利用するような時速100キロ未満の低速リニア、200キロ前後の中速リニアも存在し、中国では実用化に向けた開発がどんどん進んでいる。最近も、中車株州電力機車が研究開発した「商用リニアモーターカー3.0」が上海市の同済大学にある試験線上で動的試験やシステム連携試験を完了し、実用化に向けて一歩前進した。
今回試験を終えた「商用リニア3.0」は、2世代前のバージョンで最高時速100キロの「商用リニア1.0」から速度が2倍に向上し、最高時速が200キロとなった。しかも、これまで車両に取り付けられることが当たり前だった列車の「心臓」と言える牽引モーターを車両ではなく地上に敷設することで車体の軽量化を実現。加速時間が大幅に短くなるとともに加減速がよりスムーズとなったほか、前世代の「商用リニア2.0」に比べると牽引効率が20%、坂道走行能力が30%上昇したという。
また、「商用リニア3.0」は無人運転による営業が想定されている。そのための安全確保技術も万全だ。5G通信やミリ波を利用した無線通信技術を駆使した地上の運転制御システムによって列車の制御が自在にできるほか、車両、軌道、給電などのシステム故障の自己予測、自己診断システムを実現している。自動で運転するだけでなく、自分でシステム上の問題を見つけて解決してしまうのだから驚きだ。
さらに、「商用リニア3.0」では新たに車載リニア誘導モーターを採用し、低速運転時と停止時に電磁誘導による無線給電が行われ、接触給電方式だった従来版に比べて抵抗や騒音が減り、乗車の快適さが向上したほか、ステアリングのアクティブ制御システム搭載により、「商用リニア2.0」に比べてカーブの走行速度も15%以上高めることが可能になった。
リニア交通システムは、従来の鉄道交通に比べて騒音や振動が小さく、登坂能力が高く、小回りが利く、必要な土地が少なくて済むといった長所を持っている。中国ではすでに都市交通システムの一つとしてリニアが利用され始めており、湖南省長沙市ではすでに「商用リニア1.0」の営業開始から5年が経ち、のべ1500万人が乗車した。新開発の「商用リニア3.0」は今後、50〜200キロの都市間、都市内移動路線として活用されることが見込まれる。
(出典:https://xhpfmapi.xinhuaxmt.com/vh512/share/10656248?channel=weixin)
株式会社フライメディアは、映像制作を中心に、海外、主に中国、台湾、香港のリサーチ、コーディネーションサービス、ライブ配信サービスをご提供している会社です。
本日御紹介した「ハイテク要素満載の「商用リニア3.0」、実用化に大きく前進」関連についてもっと知りたい方、写真の使用をご希望の方は、是非お問い合わせください。