台湾の感染増加が止まらない。連日陽性者は1000人を超え、各県、市で検査キットの不足が生じている。感染爆発前は薬局やコンビニなどで手軽に買えた検査キットであったが、感染者があまりに増えてしまった為、買い占め防止も兼ねて政府が買い付け、今後は以前のマスク不足時のように、保険証を提示の上での「実名制」購入となる。
更に医療崩壊を事前に抑える為、今後は中等症、重症、65歳以上の高齢者、妊婦、人工透析患者のみを入院させ、その他は自宅療養の形をとることになった。
「風邪に似た症状」とやや軽く見られていたオミクロン であったが、新北市在住の2歳男児が脳炎と臓器の異常により死亡した事で、一気に不安な空気に包まれているようだ。(オミクロン 以外にも他のウィルスに感染していたという報道もある。)
今月末には1日の感染者が1万を超えるのではと言われているが、今現在警戒レベルを引き上げる予定はなく、感染予防を心がけながらも日常生活を送る方向で政策が進んでいる。
今回は2回に分けてかつて地元民や日本人観光客で賑わった「東区」の現在の様子と「台湾人の買い物傾向」を合わせてレポートしよう。
忠孝復興駅からすぐの東区のシンボル的存在「SOGO忠孝店」
4月初旬まで日本物産展で賑わっていた
かつての「太平洋SOGO」(現在は遠東SOGO)を筆頭に多くの買い物客で賑わったこのエリア、実はコロナ前から閉店ラッシュに悩まされていたようだ。
めまぐるしく変わる店舗は大家による更新時の家賃の引き上げが原因とされている
まず、第一の原因が不景気による閉店。このエリアの大通りは家賃が非常に高く、伸び悩む売り上げに更新時に引き上げられる家賃を支払えず、撤退する店舗が増え続けていた。
そしてそれに追い討ちをかけたのが101のある「信義区」の発展だ。数多くの商業施設が建てられたことで、本来東区で買い物をしていた客が信義区に流れ込んでしまったようだ。10以上の商業施設が並ぶ信義区はSNS映えスポットも非常に多く、インターネットショッピングで一度に多種多様の買い物を楽しむ現代の買い物スタイルが、商業施設のようなひとつの建物内で様々な商品を揃える事ができる利便性と合致してしまったのだ。
広いエリアにブティックやレストランが点在する東区は、そのような買い物客とは相性が合わなくなり、人々の東区離れが進んでしまったようだ。
東区の衰退は日本の商店街のそれと多くの共通点を見出す事ができる。コロナによる被害だけに気を取られていたが、人々の買い物スタイルの変化が多くの店にダメージを与えているようだ。
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