日本でも公開中の日中合作映画チェン・カイコー監督の「猫妖傳(邦題:空海)」。遣唐使として海を渡った空海と詩人白楽天が楊貴妃の死にまつわる謎を紐解いていくというファンタジーだ。
この映画で年老いた女官を演じている96歳の大女優、秦怡。劇中の彼女からは身の毛がよだつような恐ろしさを感じるが、実際は穏やかな雰囲気だ。
百度百科や愛福清網では彼女の苦難に満ちた、まるで映画になりそうな人生を紹介している。
1922年生まれの秦怡は1938年の「好丈夫」でデビューし、80年間演劇に身を捧げて来た。彼女は様々な役柄で人々を魅了し、多くの賞を受賞している。映画界に大きく貢献した芸術家としての称号や、上海国際映画祭などで「終身成就賞」を授与された。
しかし彼女は仕事で成功を収める一方、私生活は順風満帆とはいかなかった。
最初の夫とは家庭内暴力のため離婚。2番目の夫は病に倒れ彼女は20数年間、夫を介護した。一人息子は16歳で統合失調症を発症し腎臓疾患もあった。息子は病気のせいで秦怡を殴ることもあったという。しかし彼女は息子の面倒も見続け、2007年に腎不全と肺炎のため59歳でこの世を去った息子を見送った。
彼女は慈善活動にも力を入れている。2008年の四川大地震の際には、映画出演も減り、息子の治療費がかさむ中で20万元(約330万円)の寄付をしている。
2015年、秦怡は90歳を過ぎていたが、「青海湖畔」の撮影で代役は使わず自らチベット高原に登った。悪天候のもと1か月に及ぶ撮影が行われたが、その時の彼女の姿勢は制作スタッフ達に大きな影響を与えたという。
秦怡は逆境に負けない粘り強さで人生を歩んできた女性だ。そして96歳になっても役作りに妥協のない姿は画面からも見て取れる。
百度百科では秦怡を中国の偉大なる母と称している。
(情報源:http://news.52fuqing.com/newsshow-1768982.html
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