桜の見頃がピークを過ぎる頃、街では、「青団(チン・トゥワン)」を購入する行列を見かけるようになる。「青団」とは、ヨモギを使った餅で、日本の草団子のようなものだ。その特徴は、もちもちの皮で柔らかい食感。見た目よりずっしりと重く、手のひらに収まる大きさで、1つ食べると満腹感を得られる。
この「青団」は、江南地方において清明節(チンミンジィエ/せいめいせつ・先祖を祭る中国の伝統的な祭日)に食べる風習がある。清明節は旧暦3月、春分から15日目にあたる節日で、先祖の墓参りをして、墓掃除などをする。言うなれば、日本のお盆のようなものだ。
老舗の青団を購入する客で大行列(上海)
この清明節で食べるものとして、青団は店頭に行列ができるほど人気!青団が店頭に並ぶようになると、街全体でようやく本格的な春の訪れを感じる。ちなみに2023年の清明節は4月5日(水)だった。
ところで、「青団」と言えば、近年は中に包む餡(アン)が話題にあがった。餡には伝統的な小豆(あずき)餡や老若男女に愛される塩漬け卵と肉のでんぶ入り・「咸蛋黄肉松」餡のほかに、「ザリガニ肉」の入った餡やドリアン餡といったその年のトレンド味もあり、バラエティ豊かな、創作餡を毎年楽しみにしている市民も多い。
2023年の推しは「馬蘭頭」餡?(上海)
草団子と聞くと、餡が甘いスイーツ系を想像しがちだが、実は、前述したようにおかず系とも言える、“甘くない”餡も少なくない。例えば、今年は老舗も含め、多くの店舗で「おすすめ」として見かけるのが「馬蘭頭(マーラントゥ/コヨナメの若芽)」餡。「馬蘭頭」は、春の味覚として現地の食卓でもよく食べられているなじみの食材で、どうも2023年の“推し餡”のようだ。
店頭に並ぶ「青団」を楽しむ市民(上海)
ところで、これまでは変わり種の「餡」に関心が寄せられていたが、今年は少し違う。Z世代の若者たちに影響力のあり、中国版インスタグラムと呼ばれる「RED(小紅書)」でも度々投稿があり、拡散されている話題の「青団」は、伝統的な「青団」から形を変えて進化?していた。
近年「青団」にはいろいろな餡が登場!(上海)
それが、期間限定で登場した「青団紅豆牛乳杯(青団あずき牛乳カップ)」だ。外見から見た印象は「パフェ」や「白玉あんみつ」に近い。驚いたのは、青団がもちもち感のあるヨモギ風味タピオカに変わっていたこと。カップの中身は下からカステラ、バニラソフトクリームで、小豆の餡子とヨモギ風味のタピオカ?がトッピングされている。次世代スーパー「盒馬鮮生(フーマー)」とのコラボなので、ロゴマークの旗もついている。
「次世代青団」誕生になるか⁉︎(上海)
値段で見ると、伝統的な青団は5〜10元(約100〜200円)程度、次世代の青団カップは34元(約680円)とやや高め。ただ、SNS映えする上、期間限定とあってついつい購入意欲をかきたてられる。
期間限定・「青団あずき牛乳カップ」(上海)
これから、青団シーズンにこのミニヨモギ・タピオカが流行りそうな予感がした。
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