香港では2種類のワクチンが採用されている。
1つ目は中国のSinovac Biotech社製のもの。もう1種類はPfizerとドイツのBioNTech共同開発のもの。うちBioNTechについてはワクチンの期限が切れるために8月末までに接種をする必要があり、以後はSinovac Biotech社製一択となる。
7月中旬時点でのワクチン接種率だが、情報ソースによると1回目の摂取完了者は約4割、2回目の摂取完了者は約3割となっている。
香港では対象者が受けることができるだけの十分なワクチンが確保されているのだが、香港ではコロナの市中感染がだいぶ抑えこまれていること等の理由からか、まだまだ接種率が高いとは言えない。
ここ最近になりBioNTechの接種期限が近くなるという事、ワクチン接種を促す企業プロモーションが展開されている事、(特定エリアについては)ワクチン接種を2回完了して抗体保有などの条件付きで香港帰国後の隔離期間が21日から7日に短縮される事などから、接種率がだんだん上がってきているところである。
香港のワクチン予約と接種は非常にシンプルで合理的である。
対象者は自分の接種したいワクチンを選び、指定されたホームページ上から場所と時間を選んで予約を入れる。
予約をすると、携帯電話に再確認のメッセージが入るようになっている。
当日の流れはこうだ。
指定時間までに会場へ行く。
↓
会場の入り口で、携帯電話へ届いた再確認のメッセージを見せて、自分が予約をしたワクチン名を言うと、順番に会場内に入ることができる。
↓
中に入ると係員から再度携帯電話の予約再確認、香港IDカード(香港居民が持つ身分証明カード)の確認、ワクチン名の確認、そしてワクチンに関する用紙が配られる。
↓
椅子に座り用紙の注意事項を読み、承知した旨のサインをして看護婦の口頭問診を待つ。
↓
看護婦より体調やアレルギーの問診を受ける。
↓
了解が出れば、医者のいる場所へ案内される。
↓
医者のブースは10以上あり、空きが出ると係員に案内された番号のドクターの場所へ行き、問診が始まる。
再度アレルギーや体調のチェック、予約をしたワクチンの名前、身分証明の確認が行われた後にワクチン接種。
↓
15分ほど待機の上、問題がなければ帰宅。
上記のような流れである。これが2回の接種で繰り替えされる。
またワクチン接種後はその場で紙の証明書を出してくれるが、その用紙にQRコードが記載されている。
現在香港居民がスマートフォンに入れているアプリ「安心出行」(レストランや出先でコードを読み取ることにより感染者との接触が分かるようになっている)にそのQRコードをかざすことにより、自らが1回目のワクチン接種を終えているか2回目を終えているか、記録をアプリ内に登録できるようになっている。
現在香港ではワクチン接種の有無などによって細かくレストランなどでの利用時間や利用人数が分かれているため、接種の記録をアプリで管理できるのは非常にありがたい。
合理的かつ何事も素早い対応をする香港ならでは、のものではないだろうか。
早く各国間を行き来できるようになることを願うばかりである。
ワクチン会場の張り紙(会場内は撮影禁止のため、外観の張り紙のみ)
接種後に配布される不織布マスク
株式会社フライメディアは、映像制作を中心に、海外、主に中国、台湾、香港のリサーチ、コーディネーションサービス、ライブ配信サービスをご提供している会社です。
本日御紹介した「香港のワクチン状況」関連についてもっと知りたい方、写真の使用をご希望の方は、是非お問い合わせください。