旧暦の3月12日~16日にあたる2023年5月1日~5日の期間、青衣では3年振りにが青衣戲棚開催された。青衣戲棚とは真君大帝寶誕に合わせて青衣で開かれる伝統的な祭りである。
会場となる青衣の運動場には真君大帝が祭られている祭祀場が設置されるほか、この日の為に数週間かけて建築された戲棚と呼ばれるバンブーシアター、そしてその周りには50程の屋台が出店。昼夜を通して大勢の人が訪れ賑わいを見せる。
真君大帝が祭られている。人々は線香やお供え物買って祈りを捧げている。
戲棚(バンブーシアター)とは粵劇と呼ばれる伝統的な広東オペラや伝統劇の為に建てられた、竹を使った臨時シアターの事を言う。青衣戲棚のような祭り時には伝統的なオペラが市民の娯楽として喜ばれ、上演されてきた。
そしてその上演の為に臨時に設置された戲棚は竹で組み立てられており、現在の香港ではごく限られた場所や期間でのみ見る事ができる貴重なものである。
香港の建築現場では、香港名物とも言われる竹を使った建築現場の足場「竹棚」が有名である。高層ビルや工事現場の竹の足場を見て、その強度に不安を覚えたり昔ながらのスタイルを現在も踏襲したやり方に驚かれる人が多いのである。この竹棚の技術は職人技以外何物でもない、まさに香港ならではの素晴らしい技術である。そして戲棚も同じように職人の専門技術が詰め込まれた竹建築、と言っても過言ではないであろう。
何千本以上と思われる竹を使用して地面より少し高い場所に造られている戲棚。青衣戲棚では期間中の昼・夜にそれぞれ違う演目の広東オペラがここで上演される事になっているが、劇が行われない間は幸運にも入場見学ができた。
シアター内に入り上を見上げると、規則正しく組まれた圧巻の竹の枠組みが目に入ってくる。舞台を照らす照明器具も竹に括り付けられている。精巧に規則正しく組み立てられている竹の様子は圧巻、その一言に尽きる。
ずらりと並べられた椅子はウィキペディアによると1000席以上との事。
椅子はチケット代金事に色分けされているがこれだけ大勢の人々が入場をする程の人気のイベントだという事が分かる。
初日の昼間に訪れた所、夜から始まる舞台の設営準備を見る事ができた。
バンブーシアターの外観の様子。巨大な臨時シアターであるのが一目でわかる大きさだ。
シアターの回りには多くの屋台が出ており、昼も夜も人々は食べ歩きを楽しむ事ができる。夜は劇場、屋台エリアともライトアップされており、屋台エリアは夜市のようになり活気と賑わいを見せる。
屋台で売られているものは昔ながらの香港の屋台スナックから、現在人気の韓国や台湾のスイーツ等種類も豊富。これなら老若男女とも食べたいものを見つけ、楽しめる事ができる。
香港人に聞くと昔はこういった場所で食べ歩くのをとても楽しみにしていたとのこと。それは今も変わらないようで、家族連れが多く訪れ子供たちは楽しそうにシアターや屋台の間を走りまわっていた。
50以上出店されたという屋台。
選びきれないセレクションの食べ物やスナック、飲み物が売られている。昔ながらのものや、普段はあまりお見掛けしない伝統的な昔ながらのものまで多数。
上演される広東オペラも現在ではどこでも見られるというものではなくなっている。バンブーシアターも香港の職人芸の成せる技だ。香港を訪れる期間中にこういった祭りと重なる方は、ぜひ久しぶりに解禁されているこういった伝統的なイベントにも足を運んでいただき、香港の文化を肌で感じてみて頂きたい。
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