コロナ規制によりレストランをはじめとして娯楽施設やスポーツ関連施設などが閉鎖をしている香港。レストランでの食事時間が限定されている為に、飲食業界はどこも苦戦をしている。そんな中、地元香港の人びとが足しげく通う人気のスポットをご紹介したい。
その場所は金巴利街、通称韓国ストリート。地元では小韓国とも言われてる。
金巴利街の入り口に立つ看板
香港なのにハングル文字が目立つストリート
この金巴利街、加拿分街側の100メートルほどは何もないだが、信義街と交差をする地点からはじまる残り100メートルほどの間に、約10軒強もの韓国食料品、雑貨店、韓国料理のレストランが軒を連ねている。ここで広東語や英語以上に目につくのが、普段見慣れぬハングル文字なのである。
信義街との交差地点にある最初の韓国食料雑貨店がこちら
小韓国という名前の通り、ここへ来れば韓国食料品が揃う
金巴利街に来れば韓国料理を食べたり食材を購入できるとあり、以前から韓流ファンには人気のストリートであった。ただ2020年の夏頃から、いまだかつて筆者が見たことのないような賑わいを見せる場所に変貌をしている。
他の近隣エリアは人が少ないが、このストリートはいつも賑わっている
では何故、この金巴利街がコロナ禍の中でも他の場所を群を抜いて人気なのだろうか?
それは主に2つの理由が考えられる。
まず1つめは、韓国惣菜のキムチがコロナに対して非常に効力がある、という情報に起因するようだ。この情報の真偽については分からないが、ネットなどで検索をすれば同じような観点で書かれた記事を幾つも目にする事ができる。
キムチなどの惣菜を売る店の前にできた行列
色鮮やかで種類豊富な韓国惣菜、このような惣菜や弁当を売る店はどこもお客が多い
この情報により、香港の人々の間でのキムチ人気は以前に比べてとても高いものとなった。
実際に金巴利街はもとより、他のエリアでも韓国惣菜店が次々と新規オープンしており、どの店も人気のようだ。
そしてもう1つの理由はコロナにより多くの規制がかかった事にあると想像できる。現在も引き続き規制が行われている最中であるが、外食(レストラン店内での食事)は夕方18時以後不可、また1卓あたりの着席人数は最大2名、公の場で集まれる人数は2名までとなっている。
友人や家族とレストランで食事をする事もできずに、自宅でテイクアウトや自炊の日が続いている。外食人口が飛びぬけて多かった香港において、これだけ環境が変わるのは大変なことと言える。
そんな規制だらけの中で人々が目をつけたのが、種類豊富な韓国惣菜や、焼けばよい韓国焼肉だったのではないかと考えている。実際、韓国風にマリネートして味付けされた肉を販売する店にも多くの人が集まっているためである。
持ち帰って焼くだけで本格的な韓国焼肉を食べられるとあって、こうした下処理済みの肉を売る店は大流行。
どこの店も大繁盛
コロナ禍で右肩下がりの業界が多い中、こうして賑わいをみせるエリアや店舗があるという事は喜ぶべきことだ。このブームに乗って香港経済も回復していくことを祈るばかりである。
(文/写真 香港コーディネーター 矢島園子)
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