香港にも幾つかの養蜂場が存在する。高層ビルが立ち並ぶ大都会のイメージしかない香港だが、その土地の70パーセント近くは緑や岩山、丘が占めている。そして新界エリア(九龍半島の奥のエリア)は山に囲まれていたり、小さな村が点在していたり、山道を歩けば牛とすれ違ったりと、香港は多種多様な顔を持っている。
その新界エリア、筆者が知るだけでも3つの養蜂場が存在する。今日はその1つ、沙田の永和蜜蜂場ご紹介したい。永和蜜蜂場が位置するのはMTR沙田駅から徒歩20分程の山合いだ。MTR沙田といえば、新界にある新興住宅地として大人気のエリアである。駅は大型ショッピングモールと繋がっており、週末ともなれば真っすぐ歩くのが難しいほど地元の人びとでごったがえす。
ただモールとは反対側へ出ると、そこには都会的なイメージとは違う、緑の多い世界が広がっている。駅前にある排頭村の中の細い脇道から裏手の丘を登っていく。すると、山深くなる少し手前あたりに、永和蜜蜂場が位置している。途中下の写真のように小さな案内板と何度か出くわすので、それを目安に坂道を登っていくと良いかもしれない。
沙田駅の裏側は緑いっぱい、そして寺や施設が点在してる
丘の中腹にある村のはずれまで来ると、養蜂場の入り口がある。
小さな入り口なので見逃さないようにしたい
この永和蜜蜂場の創業は1983年。ここで飼育されているミツバチから、周辺の針山、草山、最高峰の大帽山、紅梅谷、城門水塘といった場所に生息するライチやリュウガンなどの蜂蜜が取れるそうだ。
それ程大きくはない養蜂場ではあるが、巣箱は約70個ほどあるとの事。
敷地内に点在する巣箱、その周りを蜂が飛んでいる
巣箱の中にはたくさんのミツバチがいる
この永和蜜蜂場の蜂蜜は加熱処理されていない生の蜂蜜で、その味には定評がある。某高級ホテルの有名なスイーツにもこちらの蜂蜜が使われているそうで、たびたび地元メディアでもその名前を目にする。
売られているのは数種類の純正蜂蜜、天然花粉など
大都会香港の片隅で作られている生はちみつ。この小さな養蜂場で造られた格別の味を確かめに訪れてみてはどうだろうか。
※訪問の際は、養蜂場のホームページ等を参考にして、服装などに注意をして訪れることをお勧めします。
(文/写真 香港コーディネーター 矢島園子)
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