警戒レベル3が発令してから1ヶ月の月日が経った台湾、端午節の連休が終わったとたん、一気に気温も上がり夏日となっている。イギリス型のウィルスの猛威により死亡率が世界平均を超えてしまった事で緊張感が更に高まっている。政府は端午節の3連休が感染を抑え込むキーポイントだとし、毎年恒例となっている里帰りをぜひ控えるよう、呼びかけ続けていた。また、連休には多くの人々が買い出しに出かける事を配慮し、身分証の末尾が偶数か奇数かによって市場や大型スーパーに入店できる日を分ける対策を行った。
連休前日に大型スーパーに駆け込む人々、やや混み合っていた
連休直前のスーパー陳列棚、やはり買いだめをする人が多いようだ
連休があけてからの感染者数はピーク時と比べるとかなり減っており、現在は28日の解除に向けて、やや落ち着いてきているように感じられる。しかしながら連休中の感染者が反映されるのはまだこの後なので、完全に安心はできないようだ。
レベル3が発令されてからは各地で「自主封城(自主的ロックダウン)」とも呼ばれるような現象が起きている。(実際にロックダウンが施行されるのはレベル4になってからであるが、多くの人々がステイホームを心がけることにより、人通りの殆ど見られない街の姿を見るようになった。)
しかしながら、レベル3が1ヶ月続く事により、店舗経営者には経済的な打撃が非常に大きく、閉店を余儀なくされる店もまた更に増え続けているようだ。レベル3発令後は店内飲食が禁止されている為、飲食店は現在テイクアウト需要獲得の為にどこも必死で弁当などの臨時メニューを用意している。
テイクアウトで割引きサービスを実施する所もあり、各店舗で工夫が見られる
かつて賑わっていたフードコートは今では閑古鳥が鳴いている
これらの状況を打破すべく、今週から高齢者に向けてのワクチン接種が始まった。
高雄では日本でも話題になった打ち手の医師が動いて1人1人に打つ福岡県宇美町
で始まった方式を「宇美町打法」と名付けて採用し、効率化を目指しているようだ。
しかしながら連日報道される副作用や血栓のニュースを見て、接種を拒む人も多いのも問題だ。著名人などの富裕層は中国に別のワクチンを打ちに行っているという話題もあり、更には各メーカーのワクチンの値段を公開し、台湾で接種可能なワクチンと比べる報道などを見て、接種を躊躇する人も増えており今後の課題となりそうだ。
一刻も早いコロナの終息を祈るばかりだ。
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