暑い日が続き、初夏へと近づいている台湾。感染者数が2桁になる日が続き、予定では28日までの警戒レベル3がいつ解除されるのかという事が話題になっている。
死亡者も減り続け、安堵の声が広がる中、台北の卸売市場では45人のクラスターが発生するなど、まだまだ油断できない状況だ。今のところ、警戒レベル3は更に延長されるであろうと言われており、映画館や美術館など、飲食と関係のない施設は営業をしてもいいのではという案も出ている。
大型スーパーも平日には閑古鳥が鳴くようになった
一時期品薄だったティッシュも今はたっぷりとある
今回はそこまでのパニックは起こらなかったようだ
店内の小型店舗は相変わらず休業している
今週最も話題になったと言えるのが「ワクチン接種後の急死問題」である。日本から送られたA社のワクチンを接種した後、高齢者の急死事案が相次ぎ、人々にショックを与えている。接種スタートの2日後には予約をキャンセルする人が多数、会場がガラガラになり、政府は会見でワクチンとの関連性を否定し続けている。15日には女性がA社ワクチン接種7時間後に母乳を与えたところ、乳児が血を吐いて急死するというショッキングな事案も起きている。医師はワクチンとの因果関係を否定しているが、台湾人の間でのA社ワクチンへの不信感は高まるばかりであった。急死のニュースのコメント欄ではA社のワクチンと政府の対応に対する批判コメントが殺到している。残念なことに「我々は日本が捨てたゴミを拾わされたのだ。」「日本はいらないワクチンを送って来た。」という日本への批判コメントも多数存在しているのも事実だ。
医学的な見解というよりも「日本では使われなかったワクチン」という点を気にする台湾人が多く、もともと日本への注目度が非常に高い台湾で多少の蟠りができてしまっている事は否めない。
ネットではこのように日本人にはショッキングな声が書かれているが、筆者の周囲ではそれでも日本には感謝しているという声も非常に多く、複雑な気持ちの中にも台湾人の優しさを改めて感じている。
しかしながら実際に肉親が急死した人々にとってはやはりワクチンに対する不信感が拭えず、テレビやネット動画では「ワクチンを打ったから死んだんだ!」と怒りの声をあげる人や、家族や親戚が接種後亡くなったという人からの「高齢者はA社のワクチンを絶対に受けてはいけない」というチェーンメールが飛び交うなど、暫くこの騒動は続きそうだ。
そんな急死のニュースに騒然とする中、アメリカから250万のM社のワクチンが届き、喜びの声があがった。しかしながら「なぜ自分たちの力でワクチンを入手する事ができないのだ。」と政府への怒りの声があっているのも事実である。
コロナの一刻も早い終息を祈るばかりだ。
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