九龍中心地からは車で1時間ほどかかへる山中であるにも関わらず、早朝から地元の人やハイキング客、そして観光客までもが訪れる人気の場所がある。それが川龍村だ。
この小さな村には昔ながらのレストランが数軒あるが、最も有名な店が今日ご紹介する端記茶樓。
50年以上の歴史がある端記茶樓では、市内のレストランでは決してできない多くの体験をすることができる。
まずレストランへ到着したら空いているテーブルを見つけて自ら席を確保しなければならない。朝6時から午後14時までの営業となっているこちらの店、地元の人は早朝から訪れる。そして時間が経つにつれて近隣の山を巡るハイカーや観光客が訪れ始め、遅い時間になると席を探すことさえ難しくなる。相席必須の、人気の店なのである。
空調が効く場所で食べる飲茶もよいが、レストランの上階にはテラス席もありテラス近くには地元の人が持ちよった鳥かごが吊り下げられている。籠の中では自慢の小鳥たちが互いに呼び合っている。建物の外の席に座って、レストラン目の前の駐車場を行きかう人々を眺めたり外の空気を楽しみながら食事をするのもよい。どこに座っても、のんびりとしたゆったりした時間を楽しむことができるのだ。
端記茶樓の外観
好きな席を見つけたら、好きな点心やおかずを取りに行く。
このレストランは地上階のコーナーに点心がやおかずがブッフェのように並べられており、好きなものを好きなだけテーブルへ運ぶことができる。
山のように積みあがった蒸篭
お茶もしかり。数種類用意されている茶葉から好きなものをティーポットに入れ、自分でお湯を注いでテーブルまで運ぶ。食器類や箸などもすべて自分たちで運ばなければならない。
町のレストランでは絶対体験できないセルフサービス式の飲茶なのである。
レトロ感いっぱいのお茶コーナー
茶葉を選んで、ティーポットにいれてお湯を注いでから席へ戻る
セルフサービスと聞くと面倒に感じる人もいるかもしれないが。積み重なった蒸篭の蓋を開けながら食べたいものを吟味して歩けば、そのワクワク感や楽しさが病みつきになるのではないだろうか。また建物から用意されているもの、何もかも少し年季が入ったものばかり。見様見真似で準備をしていくのも、楽しい作業となるであろう。
そしてこの茶樓の特徴はそれだけではない。川龍村はクレソンで有名な場所なのだ。クレソンのなる時期にこの村を訪れると、青々と茂ったクレソン畑が辺り一面に広がる光景を目にすることができる。もちろんレストランでクレソンを食べることができる。客の目当ての一つが採れたての新鮮なクレソンなのである。湯がいただけの大量のクレソンは、食べても食べても飽きがこない味なので、山盛りの皿もすぐになくなるに違いない。
川龍村で見ることのできる光景、クレソンや農家の方が育てている野菜畑が広がってる
ただほとんどの客がこの摘みたてクレソンをオーダーするので、遅い時間に到着をすると点心のみならずクレソンも売り切れでありつけないということになりかねない。なので、どんなに遠くて大変でも、早起きをしてこの場所にいくのが成功の秘訣なのである。
クレソンや野菜が食べたいときは厨房へ声をかけ、茹で上がるのを待つ
採れたてのクレソンがこんなにたくさん
山の澄んだ空気の中で、鳥のさえずりを聞きながら食べるクレソンや飲茶は最高の時間だ。そこには、町では見ることができないまた違う香港の顔がある。早起きをしてでも訪れていただきたい場所である。
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