香港に於いて中秋節といえば、1年で旧正月に次ぐ重要なイベントである。
オリジナルは中国伝統の収穫祭として祝う行事であったが、現在の香港では各地域の大きな公園で美しいランタンが灯され、家族や大切な人と夜遅くまで月やランタンを見ながら過ごすイベントとなっている。
また、親しい人やお世話になっている人とは月餅のやり取りが行われたり、燃え上がる線香を何万本と纏った火龍が踊り狂う昔ながらの伝統的な祭りも開催される。
2018年の中秋節は9月24日(月)。その日の夜は遅くまで家族と過ごすために翌25日は祝日となっている。
2017年の中秋節。ビクトリアパークで行われたランタンフェスティバルの様子
美しいランタン飾りは香港市民の楽しみの一つ。
2017年火龍の様子
数え切れない線香をまとった巨大な龍が、火の子を飛ばしながら舞い踊る。
1年で最も盛り上がる行事の中秋節に向け、例年7月頃から各社の月餅合戦が始まる。伝統的な卵が入った月餅以外に、アイスやフルーツ・コーヒー味といった現代的な特徴ある月餅も発売されるようになり、少しでも喜ばれるものを選ぼうと 贈る側も必死である。
こちらの広告はアイス風の冷たい月餅の宣伝
主要駅の構内には各社の月餅広告が大きく貼りだされるのもこの時期ならでは。
もう一つ、中秋節に向けて盛り上がる場所がある。それは、下町の問屋町サンスイポー(深水埗)である。サンスイポーは電気ストリートやアクセサリーストリートなどと呼ばれている専門小売店が並ぶ小道が多数有り、常に地元の買い物客でいっぱいの活気ある下町だ。
このサンスイポーにある福栄街はおもちゃストリートとして有名。文具やオモチャを所狭しと並べた専門店が軒を連ねる。季節ごとに売るものも変わり、夏は水遊びアイテム、正月は真っ赤な正月用品が軒先にまで所狭しと並べられる。
この福栄街、中秋節の季節はランタンを販売している。カラフルで形も大きさも様々なランタンが軒先から下がる光景は、道行く人の目を楽しませている。今日はその福栄街の様子をご紹介したい。
こちらがおもちゃストリートとして知られる福栄街
道の両脇に立ち並ぶおもちゃ屋は、軒下も使ってこれでもかという陳列をしている
この季節に売られるものは、ランタンがメイン
家やビルの入り口に飾ったり、中秋節の夜に持ち歩いたりするのに利用される。
こちらは、中秋節ならではのウサギの形をしたランタン
ランタンと言っても、その種類は様ざま。動物やキャラクターのモチーフをした可愛らしい物もたくさんある。
風水で縁起が良いよされる金魚のランタンも可愛らしくて人気
伝統的な蓮の花のものもある
こちらは子供が喜びそうな動物やキャラクターモチーフのもの
秋以降の香港はイベントが目白押し。
ぜひ、この時期ならではの香港が感じられる場所へ訪れてみて頂きたい。
(文/写真 香港コーディネーター 矢島園子)
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