中秋節の前には香港中が月餅商戦で盛り上がる。例年早いところだと6月中から月餅の予約受付を開始し始め、9月になれば右を見ても左を見ても月餅が目に入るようになる。
月餅というと塩漬け卵が入ったものや蓮餡やナッツ入りのものなどを始めとする、トラディショナルなものが多かった。もの凄い量の月餅のやり取りが行われる事で、毎日食べる方としてはどうしても味に対する”飽き”が出てきてしまう。
伝統的な菓子やパンで有名な奇華の月餅
上記は一つずつ缶に入っているもので、お土産やちょっとした贈り物に喜ばれる。実は例年同じ缶を利用している。それでも人気は衰えることがなく、早く購入をしないと売り切れてしまう。
そんな風潮の中で、この数年若者や外国人にも歓迎される ”今どきの” 凝った月餅が増えてきている。
今日はそんな変わり種の月餅の一部をご紹介したい。
まずはアイス月餅。
アイス月餅の先駆けとなったのは、「美心冰皮月餅」。これは美心が発売を始めたもので、雪見大福のような薄い皮の冷たい月餅の中に、マンゴーやら果肉入り餡が入っているというもの。アイスクリーム感覚で食べられるという事で、大人気の月餅である。
この美心冰皮月餅を皮切りとして、アイスクリームの代表格である「ハーゲンダッツ」でも月餅販売が行われている。そして今年見つけたのが、パン・洋菓子販売で大成功を収めている日系のA-1ベーカリーのもの。
A1ベーカリーで見つけた月餅
宇治の抹茶&チーズ味、沖縄の黒糖&紫芋味、福岡のイチゴ&ヨーグルト味のセットになっているようだ。日本旅行や日本風のものが大好きな香港の人にとって、和菓子の愛らしい色合いや日本各地の特産物の味を再現したアイスクリーム月餅は、必ず喜ばれる贈りものになるだろう。
また、こちらもA-1で見つけたA-1ベーカリーと中村藤吉のコラボレーションによる抹茶やほうじ茶風味の月餅。抹茶が大好きな香港の人には堪らないのではないだろうか。
「香港限定」のフレーズにもひかれる
最近ではパッケージが可愛らしい月餅やキャラクター関係にもつい手が出てしまう。こちらはスヌーピーをモチーフにしたもの。味もアールグレイやティラミス風とこだわっていたり、スヌーピーグッズがついてくる等、ファンの心をくすぐるものだ。
トートバックつき
スターバックスでは例年コーヒー味に因んだ月餅をオシャレなパッケージで販売している。今年のパッケージは夜空の美しさを再現しており、夜にライトアップすれば月見気分が味わえるというもの。味もモカやブラックティー・アールグレイ風味になっている。
食べ終わっても取っておきたい、ゴージャスな外箱が増えてきているのもこの数年の特徴ではないだろうか。
空箱になったら何を入れる?
こちらは高級チョコレートの老舗メーカー、GODIVAのもの。チョコレート各種と月餅を詰め合わせたボックスが揃っている。
シックなデザインのGODIVA
勿論ホテルやレストランで販売されている、今まで通りの伝統的な月餅も需要が高いだろう。ただ、今年しか出会えない、自分の好きな味の月餅を探すのも楽しみの一つ。また面白い月餅に出会ったら、ご紹介をしたい。(文/写真 香港コーディネーター 矢島園子)
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