現在東京に住んでいますが、コロナの影響もあり、もし東京に通勤できる圏内で、いいところがあるなら、移住をしようかと思って、最近あちこちみて回っています。
その候補地の1つが、神奈川県の大磯。海も山もあり、歴代の政治家などが別荘を構え、自然に恵まれのんびりとしたいいところです。
先日そんな大磯にプチ移住体験で1週間ほど滞在した時に、1つ発見がありました。
それは、大磯の鴫立庵を訪れた時のことです。
鴫立庵(大磯町ホームページより)
湘南という言葉は、そもそも中国の湘江の南方一帯の景勝地の称であり、これにちなんで、相模国南部、つまり“相南”が湘南と言われるようになったという説明を目にしたのです。
鴫立庵には、湘南発祥の地の碑があります。その碑の裏に「著盡湘南清絶地」(清らかですがすがしく、このうえもない所、湘南とは何と素晴らしい所)と刻まれているのですが、当時この辺りの海岸が、中国湘江南部の美しい景色と同じように美しい場所であったので、そう碑に刻まれたということでした。
湘南発祥の地の碑(大磯町ホームページより)
中国の湘江とは、湖南省を流れる最大の川。この川の名から、湖南省は「湘」という別称がついたそうです。
私は湖南省には残念ながら行ったことがないので、この川の南方一帯がどんなに美しい風景かは実感がないのですが、いにしえの人が、中国に思いをはせて、日本の湘南が生まれたことで、湘南にとても親近感がわきました。
日本には、湘南だけでなく、多くの中国にゆかりのある名所旧跡が残されています。
やはり中国関連の仕事をしていますし、中国の歴史に興味があって留学したので、私自身はそう言ったところに非常に興味をもっています。
皆さんは徐福伝説を聞いたことがあるでしょうか? 今から2200年ほど前、秦始皇帝の時代、徐福という方士が、始皇帝の命を受け、不老不死の仙薬を探すために、3000人の童男童女を引き連れ、日本にやってきて定住し、日本人に様々な技術を伝えたというものです。日本では伝説という位置付けですが、中国は歴史的な事実として捕らえられています。実際、和歌山県新宮市には現在も、徐福ゆかりのものが残されています。
徐福像と徐福公園(わかやま歴史物語100より)
コロナでめっきりインバウンドの外国人観光客が少なくなりましたが、中国観光客は、日本を訪れる観光客の中でも一番多いです。物から体験へと志向が変化する中、中国とのゆかりがある地を訪れる歴史的な旅も1つの売りになるのではないかと思っています。
大磯で「湘南」の由来を知って、私自身が中国の「湘南」に親しみを感じたように、中国人の方が今後日本を訪れ、中国との繋がりを知っていただき、たくさん日本に親しみを感じてもらえたらいいなと思っています。私も、いつか中国の「湘南」に訪れてみたいと思っています。(フライメディア・ヨシダ)
株式会社フライメディアは、映像制作を中心に、海外、主に中国、台湾、香港のリサーチ、コーディネーションサービス、ライブ配信サービスをご提供している会社です。
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