感染者が増加し続けていた台湾、ネット上には医師や専門家らによる「感染ピークはいつ?」という記事が溢れている。中央指揮センター(中央流行疫情指揮中心)によると、当初は5月の半ばから6月の初旬にピークが来ると言われていたが、時が経つにつれ、どうやら今回の波はかなりのゆっくりペースで進んでいるという事が分かった。部長の陳時中によると、諸外国のデータを参考にし今回の波は「2ヶ月程かかる」とのことであったが、どうやら台湾の場合は感染者の増加グラフが緩やかな曲線を描いているようだ。
これにより、2ヶ月を予定していた戦いが「少なくても3、4ヶ月はかかる。」という方向に転換されてしまったのだ。実際に先週は6万人代が6日間続き、現在も土日の影響はあるとはいえ、緩やかな増加をたどっているようだ。
その原因として挙げられるのが国民による感染予防意識の高さだ。現在台湾の警戒レベルは感染者が増加しているにも関わらず現状維持のレベル2を保ち続けているが、オミクロン の感染力の高さから市民たちが感染を恐れ、感染者の多い台北、新北エリアでは外出を控える人たちが増え、ネット上では「自主的レベル3」と呼ばれている程だ。Googleによる人流調査によると、4月から5月半ばの台北市内の公園、駅、バス停などの人流が通常の50%減っているという事が分かっている。
かつて観光客で賑わった永康街の様子
日本をはじめとする世界各国がコロナとの共存を開始し、日常生活をはじめている中、重症化率の低いオミクロン といえども、台湾人はコロナに対して非常に警戒心が強いという事がうかがえる。
その理由のひとつとして挙げられるのが「子供の重症化率の高さ」だ。
現在までに台湾では17人の1歳から10歳までの子供が重症、5人の子供が死亡、4人の子供がウィルス性脳炎を発症している。日本では「子供の重症化は極めて稀」とされ、今年4月までに亡くなった子供の数は4人。台湾の人口は日本の人口の5分の1である、この事を考えるといかに子供の重症化が多いかが分かる。現在政府は子供用のICU病床を増やし、対策を進めている。
はやくて今年7月には台湾と同じ感染率の国からの海外旅行客を受け入れると言っていた政府だが、受け入れにはまだ少し時間がかかりそうだ。
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