日本ではあまり知られていないが、中国では、5月20日は『ネットバレンタインデー』とされている。例年だと、街中にハートのPOPがあふれ、ネット上だけではなく、ショッピングモールなど実店舗でも商戦やセールで盛り上がる日になる。
『ネットバレンタインデー』がなぜ5月20日なのか?と言うと、『520(ウー・アー・リン)』が、中国語の『我愛你(ウォ・アイ・ニィ/I LOVE YOU)』に発音が似ているのからなのだが、もともとは若いネットユーザーの間で広がった。この日に告白する人や婚姻届を出すカップルも多い。さながら日本で『いい夫婦の日(11月22日)』に婚姻届を出すのと同じ感覚だろう。
もともとネットユーザーの間で話題になったということで、ネット上でのイベントがメインだったが、今では実店舗も参戦する上半期の大きなイベント商戦の一つとして数えられる。
ECサイトなどネット上での『520』イベント
今年はと言うと、上海のコロナ封鎖で、こうした若者主体で消費力が高まるイベントが大きな影響を受けている。とくに、今はネットで注文しても物流が停滞しているため、手元に届くまでに時間がかかる。これまでのような物流の速さ、例えば注文後に2〜3日で届くような速さに慣れてしまっていると、事情を知っていてもなかなか届かない物流の現状に不満や失望の声をあげる投稿も見られる。
まだ「沈黙」している通りが多い市内の様子(2022年5月17日・上海)
便利な生活から一転して不自由な環境を経験することで、そのありがたみが身にしみる。5月20日も、マンション封鎖中の人が多く、SNSでは、520を「今年の上海の520の意味は、“もう5月になった。上海はすでに封鎖されて2ヶ月、未だに0コロナ(社会面ゼロコロナ)にいたっていない”の520」と、揶揄する投稿もある。
デリバリーサービスアプリでも『520』花束特集、価格も520元!
一方、『520』関連のネットイベントを見ると、ECサイトでのセールや特設会場の設置以外には、中国最大級のメッセージアプリ・Wechat(ウィーチャット/微信)の『紅包(ホンバオ/Red packet )』という、ご祝儀やお年玉などとしてお金が贈れる機能が活躍!キャッシュレス社会のため、現金ではなく、この機能で男性から女性に『紅包』を贈ることも多い。金額は、5月20日に合わせて「520元(約9,900元)」⁉︎。封鎖中でも若者たちは、「儀式感(セレモニー感・特別感)を大切にしたい」と記念日にこだわりを見せている。
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