中国武漢で発生した新型コロナウイルスの脅威が日に日に世界各国に広まりつつある。インターネットではSNSなどで感染に関する情報が飛び交い、人々の不安を煽っている。アジア各国でマスクが手に入らなくなったりと、今まで経験したことのないような状態に陥っている昨今、今回のブログは中国大陸の隣に位置する台湾の現地レポートをお届けしよう。
新型コロナウイルス肺炎は台湾では「武漢肺炎(ウーハンフェイユェン)」と呼ばれている。台湾では去年12月頃からニュースなどで話題になり、中国での経過が注目されていた。
春節が始まる頃から徐々に台湾のネット上に肺炎対策に関する話題が広がり、「マスクが買えない」という言葉がホットワードに、またマスク工場に並ぶ長蛇の列が報道され、注目を集め、人々の不安をさらに煽った。
街を歩くと「どこに行けばマスクが買えるのか。」という話をしている人々をよく見かけるようになった。ただ台湾では例年と同じような春節を過ごし、ほとんどの人が家族や親戚と集まり食事をし、春節期間中は新型肺炎による影響を身近に感じることはなかった。
だが春節が終わる頃には危機感を感じる市民が急増し、筆者が見る限り地下鉄内ではほぼ100パーセントの人々がマスクをしていた。
台湾政府はいち早くマスクの輸出をストップし、市民たちへの供給に努めた。なかなか買えないマスクであったが当初はコンビニエンスストアでの販売を再開し、朝の出勤前にコンビニに立ち寄ると買えることもあったようだ。
現在、製造されるマスクは政府が管理することとなり、身分証番号の末尾の奇数と偶数で購入できる日にちを分け、1週間に購入できるのは1人2枚という制限が出されている。
マスクを求めて薬局に並ぶ人々
1時間以上並ぶこともあり、会社員には購入がなかなか難しい
購入できるのはたったの2枚
スマホアプリでどこの薬局に在庫があるか調べることもできる
コンビニの”抗菌コーナー”残っているのはウェットティッシュのみ
その前は除菌スプレーなどが置かれていた
マスクと同時に買えなくなったのがアルコールスプレーだ。ドラッグストアの店員たちはマスクやアルコールの販売の有無を尋ねてくる客への対応に疲弊し、店の前に品切れの張り紙を貼る店が目立っていた。
大型スーパー”カルフール”のティッシュ売り場
その後品切れパニックになったのはティッシュやトイレットペーパー。ネット上でマスクの材料と同じものでできているのでその後買えなくなるのではないか?というデマが広がり、週末はティッシュペーパーを求める人々であふれかえっていた。その後政府が注意喚起をしたが、人々の不安は収まらず、品薄状態に陥った。また漂白剤の在庫も少なくなっているようだ。
今現在台湾での感染者は20人にも満たないが、毎日中国から発信されるニュースを見て皆日々不安をつのらせている。
いつも活気で溢れている夜市も観光客が激減している
中国や日本と同じように切実なダメージを受けているのがホテルやレストラン、観光業の人々だ、世界各国からの観光客でごったがえす夜市はどこも活気がなくなり、自ら休業する屋台も多い。また普段地元客の多いレストランも閑古鳥が鳴いている店が多く、今後の経済ダメージが非常に心配だ。
ただ、筆者がここ何日か台湾の観光スポットを歩いて感じたことは、思っていたよりも日本人観光客が多いということだ。マスクをしていた日本人観光客に話しかけてみたところ。中国人の台湾への入国が禁止されていることから、「日本にいるより台湾の方が安心する」と答える人が多かった。
一刻も早く終息を迎え、どの国の人々も普段通りの生活に戻れることを心から祈っている。
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