2018年12月4日、風傳媒(THE STORM MEDIA)やET today旅遊新聞サイトが台湾モダン&レトロを代表する歴史的建物、また台湾「文化創意」空間として注目される「林百貨」こと“ハヤシ百貨店”を紹介した。
なんと12月5日で、開業87周年なのだ(出典:風傳媒)
この百貨店は、日本から台湾に渡り台南で商店を営んだ「林方一」が創業したデパートで、1932年の開業。
当時一般の市民は被り笠をかぶって農作業をし、出かける時はいつもサンダルという庶民的な恰好であったため「草笠仔(被り笠)をかぶり淺拖仔(サンダル)を履いて流籠に乗る」のが世界一カッコイイ!! と言われていた。そして流籠というのがこの「林百貨」のエレベーターのことで、当時の台南の人々の生活感と想像力を覆すものだったのだ。
ガラス張り。床に意匠を凝らしたエレベーター(出典:ETtoday.net)
「林百貨」は1930年代当時、台南で最も「潮(オシャレ)」な場所で、その末廣町銀座の商品は安平港から輸入され、大阪組(貨物運送組合会社)が運搬して、ショーケースに並べられていた。特に「林百貨」はハイエンド舶来品が選べ、買辧嫁粧(お嫁入り道具)の高級名店だったという。
台南の深い歴史文化を感じさせる(出典:風傳媒)
当時、5階広場には電動コイン式の木馬遊具(なつかしい!)や金魚すくいの場所もあった。
祝日には街路に菊の花やお祭りの品が飾られ、5階からコインやお菓子が投げられたという。従業員も相当な学歴を持つのが必須で、高級なサービス業と言えた。
当時の銀座での祝賀式典。左が林百貨(出典:風傳媒)
当時の日本風の地名はその後、本町は民権路に、末廣町は中正路に改名されたが、「林百貨」の開業は台湾カルチャーのモダン時代をスタートさせ、新しい考え方や自由な恋愛、流行ファッション、西洋式教育、ジャズ、映画などをもたらした。
1930年代は台湾に電灯、電話や水道が普及し、飛行機や自動車が入ってきた台湾近代文明の出発点でもあった。当時盛んだった珈琲文化はこの新しい「林百貨」にも受け継がれ、限定「林コーヒー」も販売される予定だ。
赤い郵便ポストがレトロ(出典:ETtoday.net)
長い放置期間もあったが、市が再開発に力を入れ、2013年に百貨Focusの経営者でもある「高青時尚」社と正式契約し、同社が引き継いで2014年に文化創意デパートとして営業を再開した。
1920年代前後のまま一部に残され保存されている外壁スクラッチ・タイル、店舗内のソフト床と硬い床。米軍の空襲を受けていた台湾では1945年3月1日に台南が盟軍の大空襲を受けた。その当時の爆撃の痕跡、台湾の商業建物に現存する唯一の屋上神社である6階の神社など歴史を追うのも良し。
台湾の「文化創意(Cultural and Creative)」産業空間としてきめ細やかで美しい地元「台南生活」のテーマを打ち出した店内で、ハッとするような感覚と心惹かれるオリジナル・グッズを探すのも良し。
台南の新ランドマーク「林百貨」に行ってみたい!!
(情報元:https://www.storm.mg/lifestyle/486525
https://travel.ettoday.net/article/368190.htm
http://www.hayashi.com.tw/page.asp?nsub=A8A000&lang=C
http://www.hayashi.com.tw/eightlook.asp?nSub=A8A500&lang=C)
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