10月1日から7日まで、国慶節の大型連休を迎えた中国・上海だが、それ以前の9月27日、ちょっとユニークな話題がSNSをにぎわせた。それは、「PRADAが生鮮市場をオープン!?」という見出しの話題だ。
PRADAと生鮮市場のコラボレーション(上海)
実際は、「PRADA」とローカルの生鮮市場とのコラボレーション(以下、コラボ)なのだが、業界を超えたコラボが多い上海でもこの話題は衝撃的で、トレンドに敏感な大人女子やZ世代のSNSで大きく取り上げられ、コラボ期間中、生鮮市場に大勢がつめかけている。
市場に入るにはマスク着用!(上海)
このコラボ市場を、国慶節の連休前、9月30日に“見学”してきた。
烏中市集2階のフロア(上海)
コラボした市場は、「烏中市集(ウー・ジョォン・シィー・ジィー)」で実は、「PRADA」とコラボする前より、地元では知る人ぞ知るローカル市場。
多くの若者が来店してにぎやかな市場(上海)
2019年末にリノベーションを終えてオープンした2階建ての市場で、普段訪れる主な客層は、周辺に居住する中高年層と年齢層はやや高め。
9月30日・平日でも混雑する通り(上海)
そのため、続々と列をつくって来店する若者たちの姿は、周辺の住民からすると、異様な空気に見えるかもしれない。
「PRADA」ロゴがあるだけで高級感漂う!(上海)
「烏中市集」がある烏魯木斉路(ウルムチ・通り)には、多くの網紅店(ネットで人気となった店舗)が立ち並んでいるため、立地的にもすでに知名度が高い通りだが、「烏中市集」自体は、他ローカル市場同様、計り売りが基本で、モバイル決済が主流のよくある、ごく“一般的”な市場だ。
海外ブランドとの期間限定コラボで人気のローカル市場(上海)
この「烏中市集」が、「PRADA」とコラボした後、どのように変わったのか、紹介すると、市場内のところどころに「PRADA」のロゴとカラーが見られ、一部の野菜などが、PRADA・2021年秋冬広告キャンペーンの「FEELS LIKE PRADA(フィールズ・ライク・プラダ)」と書かれた包装紙に包まれてディスプレイとして置かれている。
この包装紙を狙って?多くの人が訪れる(上海)
不思議なことに、これらロゴとカラーだけで、ローカル色が一気に消され、高級感あふれる生鮮市場に見えるのだから、ブランド力はすごい。
「PRADA」で包まれた愛嬌のある冬瓜(上海)
極端に言えば、包装紙やショップバッグの差だけなのだが、市場は若者であふれ、連日にぎわいを見せている。
まるでハイブランド・マーケットのように見える(上海)
ちなみに、市場で販売されている野菜などの商品やその価格は通常と変わらず、「PRADA」とコラボしたからといって値上げはしていない。
階段も映え写真のスポットの一つ(上海)
ところで、話題性はあるが、実際に市場の売り上げに貢献しているかと言うと、包装紙やショップバッグが目的の来店客が多いので、一日の限定量を配布した後は、映え写真を撮影するだけで、とくに買い物をしている気配は感じられない。ショップバッグは消費額20元以上でもらえる。
時間帯によっては入場制限も実施されるとか(上海)
このコラボは、期間限定で、2021年9月27日から10月10日までの2週間開催される。
現在、最もホットなスポット「烏中市集」(上海)
烏中市集:上海市徐匯区烏魯木斉路318号
最寄り駅は、1/7号線「常熟路」駅
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