コロナ感染の高止まり期も終わり、月曜の感染者は2ヶ月以上ぶりに1万人台となり、少しずつではあるが落ち着きを取り戻したように見える台湾。週末に飛び込んできた安倍元首相襲撃のニュースは台湾でも大々的に報じられ、ネットニュースは安倍元首相に関する報道で埋め尽くされていた。親日家の多い台湾人に非常に人気のある安倍元総理、今月に台湾を訪問する予定があっただけに、人々の悲しみは計り知れない。現在もネットは安倍氏を悼むニュースで溢れているところだ。
歴史に残るような出来事が立て続けに起きているこの何年か、台湾でも大きく変化している事がある、それは「物価の上昇」だ。ロシアのウクライナ侵攻により更に値上げラッシュが加速してしまったのだが、それ以前にも異常気象による台風被害による影響や害虫被害、コロナの影響など、様々な要因が集まり、市民の生活を圧迫している。
ひと玉99元(日本円450円ほど)のキャベツは既に見慣れた値段だ
台湾に住んでいるとやはり特に感じられるのが「野菜価格の高騰」だ。日本でも野菜の値上がよく報じられているようだが、明らかに台湾の野菜の価格の方が高くなっている。特に葉もの野菜は気候の影響を受けやすく、日によってかなり価格が変わっているようだ。
肉がとにかく高い!輸入の牛肉は特に値上がりを感じる
台湾の牛肉は輸入品が非常に多く、原油の高騰も影響し非常に高くなったと感じる、また養豚場の大規模改築が計画されている為、ここ1、2年の豚肉の価格が不安定になっているようだ。
現在様々な野菜が値上がり中…
コロナによる自炊ブームが起きた最中、材料が高いとやはり諦めてしまう人も多いようだ、しかしながら外食産業も肉、野菜と価格が高くなってしまっては提供するメニューの値上げを考えなくてはならなくなる。円安の影響もあり、日本人観光客が台湾を訪れるようになった日には価格の変化に驚くかもしれない。
そして昨今ニュースなどで取り上げられているのが若者世代の「脱北」現象だ。ここでいう(「北」は台北を表すのだが…)台北の家賃や物価があまりに値上がりしている為、若い世代がその周辺の新北や桃園に住居を移すようになっており、2022年の上半期には約5000人が台北を離れているそうだ。台湾の発展と共に様々な物の値段が上がり続けているが、市民の月々の給料はなかなか上がらないという意見や、コロナによる観光業や飲食業の「無薪假(ウーシンジャー)」(会社に籍はあるが給料の出ない休みをとること)が未だに減らないのも問題となっている。
一刻も早く世界情勢が落ち着き、人々に豊かな暮らしが戻ることを願ってやまない。
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