「うちの子、まだ帰ってきてないの」「うちなんて、一日中、本ばかり読んで」と、最近、巷でこんな会話が聞こえてくる。これだけ聞くと、子どもの話題?と誤解されそうだが、実は今、SNSで大人気の「養蛙(かえるの飼育)」についての会話だ。
ゆるーくてキュートなイラストも人気!(出典:鳳凰科技網)
日本のHit-point社が開発した癒し系アプリ「旅かえる」があっという間に若者のあいだで流行し、「養蛙」は今、一番ホットな話題になっている。中国語で「旅行青蛙」と言い、空前の大ブームになっているこのアプリは、シンプルな放置型のシュミレーションゲームで、「かえる」を旅におくりだし、帰ってくるのをまったり待つという簡単な内容だ。ゲーム内でお弁当、お守りや道具などを用意してあげると、「かえる」が帰ってきたときに名物のお土産や旅先の写真がもらえるしくみ。
Wechat(微信)のモーメンツでも「うちの蛙蛙(中国語:かえるちゃん)はまだ帰ってこない」「うちなんてずっと家にいて、旅に出ない」などリアルすぎるコメントの数々、スクリーンショット、そして「かえる」からもらった写真などがUPされ、話題を独占している。
「養蛙」は親心がわかるゲームだと絶賛される(出典:騰訊網)
なぜこのシンプルな放置型ゲームが人気になるのか?一部ネットでもいろいろ議論されているが、シンプルな操作と遊び方にその理由があるというのがおおかたの見方のようだ。日本語アプリだけれども、シンプルな操作なので、言葉の壁を感じさせないところも人気を後押ししている。
そして一番の魅力は、「かえる」が好きな時に好きなように行動するので、ユーザーは「かえる」の行動をコントロールできないところ。つまり、「かえる」はユーザーが思うようには動いてくれない。旅に出るかどうかも「かえる」の気持ちしだい。ユーザーができることと言えば、クローバー(お金)をためて、旅支度(お弁当、お守り、道具)をしてあげることだけ。あとは「かえる」の気の向くまま。
旅に出るのをのんびりと待ち、旅に出たら、帰ってくるのをのんびりと待つ。いつ帰ってくるかも「かえる」しだい。とくに操作をするわけでもなく、帰ってくるのを待つのみ。そのまったり感でさえ、「癒される」と人気の秘訣になっているようだ。
「1時間も食べ続けたら胃がもたないよ〜」
リアルな関心をよせるユーザー(出典:騰訊網)
こうした「気の向くまま」「気分しだい」にゆだねるゲームの特徴から、この「旅かえる」アプリは中国語で「佛系(仏系)アプリ」と呼ばれている。ちなみにこの「佛系」は、新たな○○系としてうまれた流行語で、物事を淡泊にとらえ、どうでもよい、欲求がなく、執着しない考え方やライフスタイルを指す。例えば、お昼になったけど、食べても食べなくてもいい。買い物にきたけど、買っても買わなくてもいい。あってもなくてもいい。仕事してもしなくてもいい…。
何かに執着したり追求したりという熱い気持ちや高いテンションがない「佛系」の若者がはまる「旅かえる」アプリ。放置されているのは「かえる」ではなく「ユーザー」だとも言われるこの「養蛙」ブームはいつまで続くか。
情報源:
http://tech.sina.com.cn/i/2018-01-25/doc-ifyqyuhy6258960.shtml
http://tech.ifeng.com/a/20180122/44855545_0.shtml
http://games.qq.com/a/20180123/001254.htm? pgv_ref=aio2015&ptlang=2052#p=4
http://cq.qq.com/a/20180125/002562.htm
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