ある番組から、50~60年前に中国の新聞に取り上げていたある日本人の写真や映像、新聞記事を探してほしいという依頼がありました。しかし、分かっているのは人物の名前だけ、あとは何年頃の出来事という大まかな情報しかなく、インターネットで検索してもなかなか欲しい情報が出てきませんでした。特に中国の歴史資料を探す場合は、人物の名前以外に、日付・場所・新聞社などの詳細が分からないと調べられないというのが現状です。
中国国家図書館(ネット写真)
より詳しい情報を探すため、紹介する人物の関連記事を読んだところ、その中から中国と関連する内容や日付などの手がかりが見つかりました。そして弊社中国スタッフが中国国家図書館に行き、それらのキーワードをもとに当時の新聞を探しました。
ようやく本件に関する新聞記事の電子版を見つけましたが、日本側にデータを開くための専用ソフトがなく、内容確認ができませんでした。
日本国立国会図書館(ネット写真)
悩んだあげく、日本の国立国会図書館に同じ資料があるのではないかと思いつきました。国立国会図書館には和洋の図書・雑誌・新聞などが所蔵されていますが、中でも京都にある関西館にアジア方面の資料が多く在庫していることを知り、早速関西館に問い合わせて新聞を探していただきました。その結果、当時の新聞が見つかり、さらにそのコピーを東京の本館へ取り寄せることもできました。
そして入手した新聞資料から写真の引用元が分かり、写真データの状況を確認することができました。
一方、資料映像を探すのにも苦労しました。せっかく映像を見つけても、それらは出典元不明のため購入することができませんでした。中国の資料映像が最も多く保存されている「中央新聞ドキュメンタリー映画制作会社」にも依頼して探しましたが、残念ながら欲しい映像が見つかりませんでした。
結局番組では新聞の見出しや写真などが使われることとなり、自身の励みになりました。今回のリサーチを通じ、中華圏の新聞雑誌などの調査においては、日本の国立国会図書館を利用することが一つの有効な手段であることを改めて学びました。
※株式会社フライメディアは、中華圏と日本をつなぐ会社です。中華圏のリサーチがありましたら、是非お声がけください!