オールド・タウン・セントラル(以下OTC)と呼ばれるエリアに位置するPMQ。PMQはその昔、中国建国の父といわれる孫文(孫中山氏)を始めとするエリートを数多く輩出してきた「中央書院」、そして後の「警察官舎」が生まれ変わった場所である。
PMQの意味はPolice Married Quarters(既婚者用警察宿舎)の頭文字を取ってつけられている。
PMQは中央書院や警察官舎として使われてきた歴史的価値のある場所の再利用目的で誕生した。
現在このPMQは過去の歴史文化を伝える役割をする一方で、若手デザイナーのショップやスタジオが集まる「香港のクリエイティブ集団を牽引するハブ」として利用され、一般人も自由に出入りができて親しまれる存在になっている。
こちらが2014年にオープンしたPMQの外観
“ハリウッド(Hollywood)”棟と、”ストーントン(Staunton)”棟の2つから成り立っている。
こちらは棟の上から中庭ともう一方の棟を見下ろした様子
廊下の奥に幾つものショップが並んでいるのが分かる。
各棟にはかつて宿舎として利用された部屋があり、現在それらの小部屋は若手デザイナーのショップやアトリエ、カフェ、レストランなどに改装され、香港ならではの多くのグッズが手に入るアーティストの情報発信基地になっている。
このようにそれぞれの階には多くのショップやスタジオが入っている
それぞれのショップは個性溢れている
市内では見つからない一点もののグッズや、アーティストによる最新の作品が多い。感性豊かなセレクトショップが目白押しだ。
香港発の商品が多いとあって、今では観光客が訪れる目玉スポットの一つにもなっている。
またアーティストのハブになっていることからも想像できる通り、館内には多くの隠れアートのようなものが存在しており、一般人の撮影のみならず雑誌やテレビでも多く取り上げられている。
またこれらのアートは一定期間を経て変わっているので、訪れる楽しみの一つにもなっている。
最新のスポットとなっているPMQだが、昔ながらの歴史を感じる場所も幾つか残されている。
こちらは地下展示ギャラリーの様子。中央書院の基盤として使われていた岩やタイルなど、歴史・建築的価値の高い展示を無料で見ることができる。
これは警察宿舎で利用されていたポスト
古いポストの横には、現在利用されている新しいポストが設置されており、時の流れを感じることができる。
最新クリエイティブ基地でありながらも歴史的価値のあるものを保存しているPMQ。
ぜひ、一度訪れて新旧の香港を感じていただきたいスポットの一つである。
(文/写真 香港コーディネーター 矢島園子)
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