2018年5月25日、「大館」がセントラルに華々しくオープンした。
この大館というのは 旧中央警察署・旧中央裁判所・旧ビクトリア監獄などの跡地を、新しくヘリテージやアートのハブとして甦らせたもので、政府が数年かけた一大復興プロジェクトだ。
この跡地は全部で16の古い建築と2つの新しい建築、そして広い屋外スペースから成り立っている。建物のうち3つは、なんと香港の法廷古蹟に指定されているというから、警察や監獄に興味がある人だけではなく、歴史や建築物が好きな人にも堪らない場所になるだろう。
こちらは敷地内にある展示場で撮影をした、「大館」の模型。敷地面積は1万3600平方メートル。
狭い香港で、これだけ広い敷地も珍しい。それぞれの建物の見所や展示も多いため、訪れる際にはぜひ時間に余裕を持っていただきたい。
それでは、「大館」の中の様子を少しご説明したい。
「大館」は入場無料だが、オープン時から暫くの期間は予約制となる。ネットで事前パスを取得した人のみが入場できる。パスの取得については、「大館」のオフィシャル・ページから直ぐに申し込みが可能。
事前パス入手制度がいつまで続くのはかは現時点では定かでないが、オープンして間もない混雑や歴史的建物を守るためには必要な処置である。
こちらの美しいアーチが並んでいる白い建物は、1864年に建設された警官の宿泊施設だった建物で、大館の観光ポイントの一つ。今後建物内にはレストランやショップが入店をする。
また、建物の内部には所どころに昔の面影が残っているので、ぜひ散策をしていただきたい。
レンガ造りの美しい建物は旧警察本部。現在この中では様々な特別展示が行われているほか、今後カフェやショップの入店が決まっている。
館内の常設展示としては、多くの民族が暮らす香港らしく 昔は警察も多国籍であった歴史や、入隊・昇進などの資料を見て回ることができる。
警察本部のグランドフロアに入店をしたカフェの一部
広場を眺めながらここでゆっくりすれば、塀の外の喧騒を忘れてしまいそうだ
警察本部のビルの中で行われている「100Faces of Tai Kwun」の特別展示
大館やその回りの歴史ある店の紹介などが行われている。(期間限定)
それぞれの建物内では、警察や警官に関する資料、そして監獄に関する資料も展示がされている。
こちらの建物では、大館やその歴史を展示していた。
旧ビクトリア監獄のエリアにある建物内では、昔の囚人の生活や牢屋内部の様子も見学できる。監獄なので当たり前のことではあるが、建物内は薄暗くなんとも陰気な雰囲気・・。
敷地内に幾つかある囚人が生活していた建物
小窓や 窓にはめられた鉄格子が、ここは昔監獄であったことを物語っている
広場にある高い塀も、ここが監獄であった証拠
多くの建物は美しく修復され、展示スペースやイベントスペースに生まれかわっている。
今後はアートのエキジビション、屋外パフォーマンス、そして階段を利用したスクリーン上映など様々なイベントも行われる予定。お目当てのイベントや展示を見逃さないよう、大館のホームページを確認のうえ、ぜひ足を運んで頂きたい。
ここ「大館」は歴史文化を探索しながらアートの刺激もうけることができる、新しいハブとなる事は間違いがないだろう。今後、更に注目度が増すヘリテージとアートの複合施設「大館」に期待をしたい。
(写真/文)香港コーディネーター、矢島園子
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