6月28日、大衆網によると、山東省済南市の大明湖南岸にある遐園の木に「武功秘籍」が見つかったと紹介。発見場所の大明湖は湖畔に800本以上の柳が並び、古来より文人墨客に詠われ、名所旧跡に囲まれた済南市の第一名勝地で、観光名所も多い天然湖だ。遐園は大明湖の「済南の第一庭園」と呼ばれる庭園で、太極拳愛好者などがよく集っている。
さて、「武功秘籍」は日本人にあまりなじみがない言葉でも、武侠小説ではおなじみの言葉で、一言でいうと、「秘伝の武術書」。特に有名な必殺技の武術書は伝説となっていて、武侠小説に描かれる英雄はたいていこの伝説の必殺技を身につけている。武侠小説ファンにとってはあこがれ。その伝説の武術書が世に現れたと聞けば、心中穏やかではない。小説さながらにその武術書をめぐり、死闘が繰り広げられるのでは…という展開になるはずはなく、また小説の中の伝説が現実に存在しているわけもない。
とどのつまりは、樹齢が古いこの木に害虫が発生し、その駆除のため朽ち果てた部分を取り除いた跡に、太極拳の基本動作を描いたというわけだ。太極拳の動作を描いたのは付近で太極拳をする人が多いのでこの絵を見ながら、正確な動作をマスターできるようにするためだと園関係者は言う。その作業も丁寧に行い、一つ一つの動作を写真におさめ、正確に描いた。基本動作であるから、当然「伝説の奥義」ではなく習得したところで、健康に良くはあっても、必殺技にはならないだろうと、話題にわいた武侠ファンも小説の中だけの書と知りつつもがっかり。未だ解明できない謎を残す風習や文化をもつ広大な中国では「もしや?」と期待してしまう気持ちもうなずける。
老木をアート作品にリュニーアル?し、周辺の景観を壊さず、融合したスタイルで別の鑑賞方法に創作した「目のつけどころ」は評価され、武侠小説ファンはひとときのロマンを味わった。
(情報源:http://www.yangtse.com/m/news/zhongguo/2016/06/28/315501.html
http://www.dzwww.com/special/ts/jtz/201606/t20160629_14539365.htm#p=1
http://www.china.com.cn/shehui/2016-06/30/content_38781206_5.htm )
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