下町佐敦（ジョーダン）の一角に位置する、ローカルな雰囲気いっぱいの商業ビル。ここに若い女性や観光客が引き込まれるように入ってく店がある。それが本日ご紹介する「先達商店」だ。

1958年創業の「先達商店」を経営している若きオーナーは、三代目のMiruさん。お店へ行くと彼女、或いは二代目のお父さんが店番をしている事が多い。

この「先達商店」で売られているのは、中国伝統工芸の刺繍が施されたスリッパや靴だ。中国刺繍というと赤やショッピングピンクの生地に派手な色使いの刺繍が施されたお土産店でよくみかけるようなもの思い浮かべがち。しかしMiruさんが作り上げた商品（刺繍作品）は、伝統的な刺繍を施しながらも現代の女性が欲しいと思えるようなものセンス抜群の品なのである。

商品で埋めつくされた店内

Miruさんの作品には、可愛らしいサテン風の生地やエレガントで微妙な色合いのセンスの良さが光る布、夏にはメッシュ素材などが取り入れられている。また伝統的な金魚や花、鳳凰等のモチーフの刺繍は勿論のことだが、可愛らしいパンダなどもモチーフとなっており、まさに伝統と現代が融合した作品になのだ。

三代目が一つ一つ手作りしたスリッパがずらりと並ぶ棚は圧巻

香港土産に喜ばれるパンダの刺繍スリッパは抜群の可愛らしさ

夏にぴったり、メッシュの涼しげな素材

結婚式などおめでたい時に利用される伝統的な刺繍も、３代目の手にかかれば何故か新鮮かつモダンに早変わりする。ちょっとドレスアップした時は勿論のこと、ジーンズにあわせても可愛らしい靴の出来上がりだ。

パーティーや祝い事だけではなく、普段に履いても良い素敵なデザインが揃う

そして特筆すべきことは、これらのシューズやスリッパの履き心地だ。特にシューズについては軽く、足にぴったりはまり、まるで履いていないかのようにフィットする。筆者も長時間歩く予定がある日などはこちらの靴を利用する事が多い。まさに実用と見た目を兼ね備えた靴なのである。

スリッパだけではなく、シューズも人気

様々な色合い、デザインの商品が揃っている。

その才能や美しい作品、そして可愛らしい風貌などから多くのメディアにひっぱりだこのMiruさんの店は、日本や世界の多くのガイドブックに取り上げられている。そのため、この店には多くの地元の人々や観光客がひっきりなしに訪れるのである。

お店には日本のガイドブックだけではなく、現地媒体や外国メディアの取材記事もたくさん貼りだされている

刺繍は勿論のこと、その素材や履き心地にもこだわり常に新しい商品を生み出す先達商店。香港で素敵な一品を探している人は、ぜひとも訪れていただきたい店である。（文/写真　香港コーディネーター　矢島園子）

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