毎年旧正月前になると一層の賑わいを見せる場所、それが深水埗の福栄街(Fuk Wing Street、通称玩具街)だ。
赤色の縁起物が所狭しと積み上がる様子は例年お伝えしてきている通りであるが、コロナ禍でこのエリアがどうなっているのか確認をしたいと思い、今年も正月前の福栄街を訪れてみた。
玩具店が軒を連ねる福栄街
訪ねてみると福栄街のみならず深水埗エリア全体的に多くの買出し客が訪れて、例年通りの賑わいを見せていた。
現在香港では、公共の場でのマスク着用義務がある。行き交う人びとはマスクをするだけではなく、店内での飲食は控え気味にして代わりにテイクアウトに変えたり、消毒液を携帯したり、必要最低限の買い物を少人数で行うなどの対策を取りながら、年末の買出しを行っているようだ。
旧正月前の福栄街は正月用品で赤や金色でいっぱいになる
道の両側には玩具店が並んでいるが、旧正月前などイベント前ともなると車道にも商品が積み上がる。
歩道だけではなく車道にもたくさんの商品が並ぶ様は圧巻
どこを見ても縁起物でいっぱいの福栄街
売られているものは多種多様だ。
揮春と呼ばれる、家の入り口に貼る縁起の良い願いが描かれた赤いポスターのようなもの。新年に欠かす事はできない利是封(お年玉袋)。
福、干支、財神、獅子など縁起の良いモチーフを題材とした壁掛けや人形、置物。爆竹や提灯などの装飾品。
春の訪れに欠かすことのできないピンクや赤色の花の造花などだ。
行きゆく人びとが足を止めて眺めている商品を観察すると、干支グッズ、健康に関する縁起の良い言葉が描かれた商品、金運が回りそうな財神などが多いように思える。そういう筆者も、多くの言葉が用意されている中から「身体健康」とかかれた揮春を迷わずに購入。今年は「身体健康」の売れゆきが良さそうであった。
財神関係のグッズが多い一角、香港ではお金の神様もとにかく陽気だ
店頭だけではなく、店内も商品が山積みになっている。
道の両脇、頭上、そして店内と所狭しと積み重なるようにして並ぶ大量の商品、そしてその中からお気に入りの一品を見つける楽しさがこのストリートへ来る醍醐味なのだろう。
一軒ずつじっくり見ると時間がどれだけあっても足りないほどの商品
そして以前ご紹介したように、こちらの日本アニメを題材としたグッズをたくさん目にした。
こちらの鬼滅をテーマにした揮春は、キャラクターと下の四字熟語を自由に組み合わせることができて、多くの若者や子供が足を止めて見ていた
軒下からたくさんの提灯や装飾品が吊り下げられ、赤と金のトンネルが出来上がる
今年は旧正月の花火やパレードも禁止、家族と親戚が集まった外食もできない状態の香港。
この福栄街で売られている縁起物が、市民に正月の気分を運んでくれることを願うばかりである。(文/写真 香港コーディネーター 矢島園子)
株式会社フライメディアは、映像制作を中心に、海外、主に中国、台湾、香港のリサーチ、コーディネーションサービス、ライブ配信サービスをご提供している会社です。
本日御紹介した「旧正月前の福栄街(香港)」関連についてもっと知りたい方、写真の使用をご希望の方は、是非お問い合わせください。