米中の貿易摩擦が最近の世界的な話題になっています。先日閉幕したG20で、日本政府が中立的な立場で貿易保護主義に反対した姿勢に対し、中国社会からは多くの称賛の声があがったようです。
波瀾万丈の世界世論の中で、実は中国社会で貿易摩擦より話題になっているのは「ゴミ分類回収」です。
日本では当たり前の「ゴミ分類回収」活動、実は以前も中国で試行されましたが、あまりうまく行っておらず、中途半端な状態でした。
しかし、2019年7月1日から、中国上海では「ゴミ分別管理条例」が実行され、中国全土の見本のような形で「ゴミの分類回収」が国家プロジェクトとして推進され始めました。「管理条例」というのは中国において、地方法令のような存在で、違反すると罰則が科されます。このプロジェクトに対する国の社会的な決心がうかがえますね。
もちろん、上海市内にいる全ての人は管理の対象となります。また、一時的に観光に来た外国人も違反すると、罰則対象となるため、十分ご注意ください!
条例によると、上海ではゴミの分類は大きく四つとなります。
●「可回収物」⇒回収やリサイクルできる資源ゴミ
●「有害垃圾」⇒有害ゴミ
●「湿垃圾」 ⇒生ごみ
●「干垃圾」 ⇒上記ゴミ以外の生活ゴミ
正直に言うと、分類例の詳細を見たところ、日本で18年間生活している私にも、難しく感じられました。
例えば:上海の名物料理「上海ガニ」をもしゴミ分類にすると、日本ならおそらく生ごみに分類するでしょう。しかし、上海なら蟹肉は「湿垃圾」となり、殻は「干垃圾」となります。では、もし丸ごと一匹で捨てると何ゴミになるのか!? 私にも不明です。問い合わせる必要が出てきますね。
このような疑問を解消するため、市民のゴミの分類を分かりやすくしようと、ごみ問題に関心のある若者たちが映像などの手段を利用して、色々な仕分け方法を紹介しています。中でも一番うけたのは下記の方法です。ご紹介いたしましょう。
●「湿垃圾」 ⇒豚が食べられる物
●「干垃圾」 ⇒豚が食べられない物
●「有害垃圾」⇒豚が食べて死んじゃう物
●「可回収物」⇒売れて豚が買える物
一目瞭然で分かりやすいですね!でも、上海カニはどこに含まれるのだろうか!?やはり問い合わせる必要がありますね!
また、数年前から上海の各住宅団地には企業が行っているゴミリサイクルもあります。
このような資源ゴミ回収機が住宅団地に設置され、資源ごみを出した住民は直接現金交換が出来ます。しかし企業の行為で、しかも資源ごみ限定だったので、社会的な貢献意義も限られていました。
今回は政府が全市範囲の「ゴミ分類回収」プロジェクトを施行しましたので、中国スピードで一気に普及することが期待できます。
上海住宅団地に設置されている共有ゴミ箱、側面にゴミの種類が分かるシールが貼ってあります
古着の回収箱です
回収した古着は消毒後に辺鄙な貧困地域に寄付するようです。
これから国際都市・上海が、ますますきれいになる様子を見守っていきたいと思います。(フライメディア/ワン)
株式会社フライメディアは、映像制作を中心に、海外、主に中国、台湾、香港のリサーチ、コーディネーションサービスをご提供している会社です。
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