感染力の非常に強いオミクロン変異株が日本をはじめ世界各国で猛威をふるっている。ゼロコロナ対策に成功していると言われていた台湾でもついに感染が広まってしまった。
前回のブログにて台湾のベジタリアン事情について2回にわたりレポートをする予定であったが、今回は予定を変更して、あまり日本で報じられなくなった台湾のコロナレポートをしてみようと思う。
空港清掃員の間で起こったクラスターはその後介護ヘルパーへと感染。非常に残念なことに、ヘルパーが桃園の銀行でマスクを顎にずらした状態でスマホ通話をしてしまった事をきっかけに、周辺にいた多数の銀行員に感染させてしまったのだ。
台湾では外でのマスク着用は義務付けられているが、感染がおさまるにつれて、顎マスクや鼻マスクで出歩く人をよく見るようになっていた。スマホ通話を顎マスクでする年配者の姿も街でよく見る光景だった。その後銀行員たちが忘年会に集まったステーキレストランにて更にクラスターを引き起こしてしまう。レストラン従業員、周辺にいた客へと感染し、オミクロン 株の感染力の恐ろしさを思い知ることになる。
ここまでであれば、台湾の迅速な対応で感染の広がりを抑え込めていたかもしれない…
しかしながら週末の夜、桃園にある工場で60人の大規模クラスターが起きたという臨時ニュースが入り人々を震撼させたのだ。
きっかけはそこで働く海外労働者の2人がクラスターの起きたステーキレストランで食事をしていた事だ。残念なことにその労働者2人は入店の際に客側に義務付けられていた「実名制」を怠っていたのだ。
台湾の各店舗のドアや入り口にはこのようにQRコードが置かれている
スマホでQRコードを読み取ることで自分の入店履歴を残すことができる
2人の外国人労働者が実名制を怠ってしまい、なおかつ予約をしていなかった為、クラスターが起きたレストランでは2人の入店履歴が一切残されておらず、追跡ができなくなっていたのだ。更なる追い討ちに、日頃ニュースや新聞を読んでいなかった為、自分達が食事したレストランでこのようなクラスターが起きているという事を一切知らず、感染後一週間に渡り日常生活を送ってしまったのだ…。
工場のビルにはその他30社の企業が入っており、現在までに100人規模のクラスターに拡大している。これがきっかけで台湾のオミクロン感染が広がってしまったのだ。更にその後高雄港で臨時で停まった海外船に乗り込んだ職員が感染し、高雄、台南にまで感染が広がる案件も起きている。現在台湾は南、北共に重大なクラスター案件を抱えており、検査に余念がない。
台湾人にとって旧正月は1年のうちに最も大切な年中行事のうちのひとつだ。その旧正月前にこのような大規模クラスターが発生した事が残念でならない。
一刻も早く平和な日常が戻ってくる事を願ってやまない。
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