毎年、秋の気配を感じるころ、街のいたるところで目につくのが「月餅(ユエピン/げっぺい)」、初秋の風物詩でもある。上海でよく見かける「蘇式(蘇州式)月餅」や「広式(広東式)月餅」など定番の月餅以外にも斬新な月餅が続々と登場し、その種類は豊富。
さらにゴディバ、スターバックス、ハーゲンダッツといった海外ブランドも参戦するなど、「月餅商戦」は、年々加熱している。
海外ブランドのオリジナル月餅(上海)
毎年、様々な「餡(アン)」の月餅が発売されるので、それを楽しみにしているファンも多く、SNSなどでも話題となるが、ここ近年は、博物館や美術館が販売するオリジナル月餅なども好評。ネット販売主体で、ここ数年の「国潮」ブームの中、「文化」「古典」といったテーマのパッケージやデザインへの人気が高い。
パッケージもおしゃれな今どきの月餅(上海)
また、消費の主力層となっているデジタルネイティブ世代(一般に2000年以降に成人を迎えた世代のこと)の嗜好は多様化しており、新しいものやクリエイティブなものに関心が集まり、ネットユーザーからの支持も高く、SNSを賑わせている。
一方で、豆沙(こしあん)、五仁(五種のナッツ)、ナツメ餡、蓮の実餡といった伝統的な月餅はどちらかというと、やはり購入者の年齢層が高い。
毎年人気が高いハーゲンダッツの月餅(上海)
上海の“定番月餅”は、豚肉入りの「鮮肉月餅(シエンロウユエピン)」で、地元での有名店舗や老舗では毎年長蛇の列ができる。
肉入りジューシーな「鮮肉月餅」(上海)
日本で月餅と聞くと、味が甘いというイメージがあるかもしれないが、上海で行列ができる月餅の餡は「豚肉」なので、甘くなく、腹持ちもよい。
上海で行列ができる、人気の定番月餅!
この「鮮肉月餅」は、中秋節のシーズンでなくても、年間を通して販売されている。
地下鉄構内の月餅広告(上海)
ところで、2021年の中秋節(旧暦8月15日)は9月21日(火)がその日にあたる。
南京東路でも鮮肉月餅を求める行列ができる(上海)
中秋節の日には、月見をしながら月餅を食べ、家庭円満を祈る風習があるが、現地では、9月19日(日)〜21日(火)の3日間が連休になる。コロナ禍下ではあるものの、この連休に周辺へのプチ旅行を楽しむ人も多い。
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