こちらのビニール袋は香港政府が全市民に向けて配布をした[防疫服務包]…つまりコロナ感染対策用の防疫セットだ。
この防疫セットは4月2日(土)から配布が開始され、270万世帯を超える香港の全家庭へ向け、約7日間かけて配られたものだ。
その中身は、コロナの抗体検査キットが20個・KN95マスクが20個、中国製漢方薬が2箱。
抗体検査キットと言えば、第5波のピーク時に日の感染者が3-5万人を記録した頃、政府のPCR検査会場での待ち時間避けて自宅でセルフ検査をしようと、市民がこぞって買い求めた物である。
このキットは鼻で検査を行うものである
現在は自宅で行う抗体検査の結果をオンラインで報告ができるようになった上、濃厚接触が発生した場合などもすぐに自宅で検査ができることから、この抗体検査キットをある程度の数備蓄している、という家庭も多いことだろう。
検査キットの需要がピークに達したのはたった1ヶ月前頃のできごとであったが、その頃はキット1箱の値段が60-110ドル程度していた。現時点ではかなり値崩れしてきたとはいえ、政府より各家庭へ20個ずつ支給されるのは、とても有り難い。
そして、KN95マスク。
このKN95マスクとは何かを調べたところ、日本のオンライン上でも数種類のタイプが販売されており、ショップに書かれている説明では「中国規格に準じて作られたものだが、フィルタの性能的にはアメリカ規格基準で作られたN95と同等基準をクリアしている」と記載されていた。ただし形状的には装着していてより楽なタイプとなっているようだ。
コロナ感染の第1波以後、香港政府は申請者やワクチン会場などに於いて幾度となくマスク配布を行ってきたが、今回のようなKN95のマスクが配られたの初めてである。一般のサージカルマスクでは心もとない感染状況となった際は、こちらのマスクを装着してみたいと思う。
そして最後は中国製漢方薬の「連花清瘟膠嚢」。
一時期、この漢方薬を含めた数種類の中国製漢方薬がコロナウィルスに効果があるといわれ、香港内でこれらの漢方薬を買うことが難しくなった時がある。
筆者は、中国本土の友人よりこの薬がコロナ初期症状に効き目があるので常備しておくように促され、薬が再流通始めた頃に買い求めた。その為自宅には2箱備蓄しているが、幸いなことにまだこの漢方薬を使う機会はない。
最近ではどこの薬局でもこの漢方が置かれるまでに流通回復した為比較的容易に手に入るものとなったが、政府の防疫パックに2箱入れられているという事は、それなりの効果が期待できる薬なのであろうか。このあたりは利用せざる負えなかった人に聞いてみたいものである。
いずれにしてもこれだけの品を全家庭へ配布をするお金、手間、人手などを考えると有り難いことである。
この防疫パック、4月2日より7日間で配られたが配布方法はそれぞれであった模様。大型マンションでは受付デスクへ各家庭が取りに行ったり、自宅の前におかれていた人もいれば、不在の場合は指定場所へ受け取りに行くという方法も設けられていた。
また配布が終わるのを見計らった4月8-10日の3日間で、政府は任意の3日間の抗体検査を全市民へ促してる。3日間毎日キットを使って検査を行い、陽性が出た場合はオンラインにて報告をするという流れである。
当日は筆者の携帯電話にも政府から検査を促すリマインドメッセージが届いている。
第5波は非常に大きな打撃を香港に与えたが、こうした配布物が少しでも市民の役にたち感染者が減ることを祈っている。
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