旧暦の正月まであと数日。大がかりな臨時の花市場(正月の花や正月用品を売り出す臨時の大型マーケット)はコロナの為に取り消しとなったが、代わりに人々は正月用の花を求めて近くの市場などへ出かけていく。一年で最も大切な正月期間は、家の中におめでたい活花を飾るのが多くの人の習わしになっているのである。今日はそんな正月の花を求める人が押し寄せるフラワーマーケットの様子をお伝えしたい。
九龍中心部のモンコクに位置するフラワーマーケット(花墟道)には所せましと花屋が並んでいる。普段は切り花、鉢植え、水栽培の花、観葉植物やガーデニング用品が売られている場所であるが、正月前ともなるれば香港人のお正月に大切な花々がずらりと並ぶようになる。ただでさえ狭い道の両脇、また、車道にもはみ出す程に花が積まれている様は圧巻である。
こちらはお正月の花を売り出すフラワーマーケットの様子。この店は店先の花束が1つ20ドルで売られており、その手頃な価格と種類の多さから大勢の客が覗き、賑わっていた。
筆者がこの辺りを訪れたのは大晦日の1日前の事。下の写真の左側に並ぶのは通常の店舗であるが、この日は右側の車道にはみ出すほど花々が並んでいた。時間帯によっては人が多く身動きが取れない程であった。
今日は香港の正月に欠かせない、おめでたい植物や花を幾つかご紹介してみたい。
まずはこちら、日本でもおなじみの水仙花。日本でも春の花として知られており、球根から育てている人も多いのではないだろうか。
この水仙は、花の良い香りにと共に福が家にやってくると言われている。
香港の人々はちょうど正月期間にかけて水仙の花が咲くように育てたり、頃合いのものを見繕ってくるのが上手である。そして水仙は束になって豪華であればあるほど良いようだ。縁起のよさそうな飾り、豪華な飾りをつけられている鉢植えも多い。
また正月に関わらず香港の中でよく見かけるのが富貴竹、万年竹である。上へ上へと背を伸ばす竹のように運を伸ばすと言われている。
この写真手前の黄色いものは何かお分かりになるだろうか。こちらはツノナス、五代同堂と呼ばれている。五つの突起が家族を表し、子孫繁栄をもたらすと言われている縁起ものだ。正月あたりになると街中ではこの五代同堂をよく見かけるようになる。
そして、建物の入り口などで見かけるのはこちら、金柑の木。桔という字はは吉と同じ発音である事から、吉がたくさん実ると言い伝えられている。
上記にあげたものは香港の正月には正にあちこちで目にするものである。この時期に香港を訪れる際は、ぜひ注意をしてみて歩いていただきたい。
そして上記以外にも好まれる花々はこちら。。。蘭や菊、良縁をもたらすと言われる桃の花である。
因みにこの数年は日本の桜も人気が高く、ドンキやイオンなどの日系スーパーではこの時期になると日本の山形から直輸入された啓翁桜が売り出されている。日本へ行かれない今、小さく可憐な花を咲かせる桜は大人気で、入荷をすると瞬く間に売れるらしい。という筆者も2年連続で上記スーパーから桜を購入した一人である。
コロナであっても、大切な行事と大切な習慣は欠かす事ができない。風水、開運、縁起を大切にする人々が多い香港では正月の生花は欠かす事のできないものであり、今年のフラワーマーケットも多くの人々で賑わっていた。
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