香港らしい光景と言えば夜景やビクトリアハーバー、高層ビル、そして庶民の生活に触れることができるマーケットや 香港ならではの乗り物が一番に上がるのではないだろうか。
今回ご紹介したいのは、香港島北角にある「春秧街」という青空マーケット。
ここは観光客向けのマーケットではなく、まさに地元香港の人が日々の生活を営むために訪れるマーケットである。売られているものは多種多様。新鮮な肉や野菜・果物・出来立てのパンや点心・生麺や日用雑貨・ローカル食堂など。
朝から暗くなるまで常に多くの人でごった返しているが、土日ともなれば外国籍のメイドなども休日の買い物に訪れて、それはもう人で溢れ返る場所である。
多くの店や露店が並び、活気のある青空マーケット「春秧街」
こんな現地の生活が見られる場所を訪れるのも旅の醍醐味であるが、実はこの「春秧街」、ここでしか見ることができない大きなポイントがある。
それは 人であふれた青空マーケットを香港名物の2階建てトラムが突き抜けるということ。
この「春秧街」、決して道幅が広いわけではない。香港らしい古い昔ながらの巨大ビルが両脇数百メートルに渡り並び、そのビルの谷間に路面店や露店がびっしり軒を連ねている。そしてその店の間をぬうように人とトラムが通るのである。
こちらは、「春秧街」のマーケット入り口に停車をしている香港トラム。ここから青空マーケットを通り抜け、終点の北角駅まで進んでいく。
次の写真をご覧頂きたい。トラムが通っても 買い物客は焦る様子も逃げる様子もなく、ギリギリまでトラムの前後を歩いて買い物を続けている様子がお分かり頂けるのではないだろうか。
一方のトラムも、ゆっくりゆっくりと 徐行をしながら進み、慣れたものである。
また、トラムに載ってこのマーケットを見下ろすのは、何度来ても迫力満点で飽きることはなく お勧めしたい景色の一つだ。
トラムの脇ぎりぎりを歩く人々や、両脇の古い住宅、そして活気ある青空マーケット。ゆっくりと徐行運転するトラムの中からは、これらの光景をゆっくりと眺め、また撮影ができる。
トラムの2階席からマーケットを眺めた様子
勿論マーケットの中から見る光景も素晴らしい。こちらへ向かって人の波の向こうから迫ってくるトラムを見るのは迫力がある。
カラフルで歴史と風情ある香港トラムそのものや、香港トラムが走っている光景は香港を代表する景色のひとつ。そんな景色を、一番魅力的な場所で堪能するのはいかがだろうか。「春秧街」は『これぞ、香港!』といえる、”ベスト・オブ・香港” の一つである。
春秧街を走りぬけ、終点の北角駅に向かうトラム
(文/写真)香港コーディネーター 矢島園子
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