域内のコロナ感染を抑え込んでいる香港では、市内の経済活動も活発だ。ショッピングモールやレストランはどこも大混雑。そんな中10月から2,3ヶ月の間だけおいしく食べられる秋ならではの味覚、上海蟹を食べてきた。
何度かこちらでもご紹介をしている上海蟹、香港では大閘蟹と呼ばれている。多くの香港人は気温が下がってくると味わえるこの秋の味覚を心待ちにしている。友人たちとレストランへ食べに行くという人もいるが、筆者の知る限りの香港人は街で大閘蟹を仕入れ自宅でそれを蒸しあげ、一人数杯もの蟹を思う存分食べる。まさにこの季節は上海蟹まみれ状態になるのである。
今年も自宅で蟹を食べる人が多いが、コロナでどこにも行かれないためにシーズン中一度は外で楽しむという人も多い。そのためか、観光客がいないにも関わらず、上海蟹コースを出すレストランはどこも満員御礼という状況だ。
筆者も数週間前に早々とレストランを予約し、コース料理を食べる日を心待ちにしていた。
こちらが先日食べた地元広東料理レストランの上海蟹コースの一部。一人あたり、2杯の雄、1杯の雌の蟹がついてくるコースである。
地元の人は雄雌にこだわって食べる人も多い。一般的に10月は子供をお腹にたくさん抱えた雌がおいしく、11月は濃厚な白子がつまった雄がおいしいといわれている。地元の人は蟹を購入する際は雄雌を指定して、生きた新鮮なものを購入する。
そして地元の人はレストランでも自宅でも、自分で蟹を解体しながら食べる。足を捥ぎ、肺と心臓を綺麗にとりわけ、カニみそを堪能して上手に蟹を食べ終える。(観光客はどこを食べてよいかわからないという人が多いために、レストランのスタッフに言って解体作業をしてもらう人が多い)
小さなころから自宅で蟹を食べなれているという人達は蟹ばさみを使う事なく、カニの足の細い部分を器用に使いながら身をほぐしていく人も多い。シーズンになると毎回数杯ずつの蟹を食べ続けてきた熟練した人ならではの技であろう。
そして毎年書いていることであるが、上海蟹を食べる際は必ず温かい生姜湯を一緒に飲む必要がある。蟹は体を冷やす、といわれているためだ。こちらのレストランでは最後に生姜湯入りのゴマ団子がデザートに出てきた。筆者もこの習慣がついてしまっているため、蟹と格闘をした後に辛い生姜湯を飲むとほっとする。
健康的に、おいしいものを思う存分食べる・・・香港ならではの季節の食べものを味わう方法だ。
今年ももう少し蟹のシーズンは続く。あと何度食べられるのか、とても楽しみである。
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