2月28日、香港政府は翌日の3月1日よりマスク着用義務を撤廃する、という内容を発表した。
この撤廃により、香港では公共交通機関の車内のみならず、屋内や屋外の全ての場所においてマスク着用の義務が解除された。
お隣マカオでは一足先の2月27日より、マスク着用義務を部分的に解除し始めていた。ただ香港についてはマスクに関する規制変更の前触れがなかった為、突然の撤廃アナウンスに市民は驚きを隠せない状態であったが、同時にSNS等では大喜びする市民の声が溢れかえった。
それもそのはず、香港は世界で最も厳しいコロナ規制が施行されていた場所の一つと言われており、公共の場での集会人数の制限やレストランでの着席人数制限に加え、マスクについても厳しい着用義務が施行されていた。マスク着用が義務化されたのは2020年年7月の事。以来945日間もの間、市民はひとたび自宅を出るとマスクを常に着用するという状態だったのである。ししてこれに違反者すると最高5000香港ドルの罰金の支払いが命じられていた。
そのような経緯で3月1日を迎え香港であるが、前日の喜びの声とうってかわり、香港では今なお多くの人々が自発的にマスク着用を続けている状態である。特に混み合う公共交通機関への乗車時は、筆者の目視で8割以上にも上る多くの人々がマスクを着用を続けている。
その理由は、人々の移動が多くなってきており香港の街なかや公共交通機関が非常に混雑している事、945日もの間マスクをしていた事もあり急に外すのはまだ安心できないという思いを持つ人がいる事等、多くの人々がもう少し様子をみたいと感じているようなのである。またマスク解除についてはまだまだ先であると感じていた市民も多く、自宅に大量のマスクのストックがあるのも関係しているのかもしれない。
マスクのストックと言えばコロナ感染が始まった当初、香港でマスクや消毒液を入手困難な時期に多くの香港製造のマスク会社が設立された。香港製造のマスクは機能面や安全面は勿論の事、カラフルで季節やイベントごとに出てくる時期的なものまでさまざまなデザインが溢れており、多くの市民に受け入れられてきた存在である。実際この3年で街中には多くの香港製造のマスク専門店が出現している。
ただ着用義務の解除と共に、現在はまだマスク着用を続けている人がいるとはいえ、市民が今後新たにマスクを購入する機会は格段に減るのは事実である。そのため、今後数か月の間に多くのマスク製造会社が閉店をするであろうという事はたやすく想像でき、実際に各方面で噂され始めている。
本日街を歩いてみたところ、現時点ではまだマスク専門店は多く存在しているが店頭でのマスクの大幅値下げが始まっているようである。マスク着用の義務化が終わるのは嬉しい事であるが、市民を助けてくれる存在であった香港製造のマスクが消えていくのは若干寂しさを感じるのは筆者でけではないはずである。
値下げが始まったマスク
機能的でデザインも豊富な香港製造のマスクファンの方は、豊富に選ぶ事ができる今のうちに是非手元に入手してみてはどうだろうか。そして事実上コロナ終焉を迎える事となった香港、この1,2年の間に経済と世界的国際金融都市としての大幅な回復が期待されている。
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