日本で「寺ガール」という言葉をよく聞くようになったが、上海でもここ数年にわたり、お寺に足を運ぶ大人女子が急増、お寺が賑わっている⁉︎
ただ、その目的は、日本の「寺ガール」とは少し異なるかもしれない。例えば、1882年に創建された、上海でも比較的新しい禅宗寺院「玉佛禅寺」では、早朝、開門とともに多くの大人女子が寺に入っていく。向かう先は、「文創(文化創意/文化クリエイティブ)」というお守りや縁起物を扱うお店。大人気のレア・アイテムである金箔香灰の「十全十美(全てが完全で整っていること)」という開運ブレスレット(手串)を入手するためだ。
上海最大の禅宗寺院「玉佛禅寺」
このブームの火付け役となったのが、北京最大規模のチベット仏教寺院・雍和宮(ようわきゅう)の数珠ブレスレット・「香灰(お線香の灰)琉璃手串」。霊験あらたかで、芸能人が身につけているところなどがSNSで紹介され、瞬く間に数珠ブレスレット人気に火がつき、多くの都市で数珠ブレスレットを扱うお寺の「文創」店が高い関心を集めている。
玉佛禅寺の香灰琉璃手串「十全十美」ブレスレット
上海も同様で、中でも最も人気が高いのが、この「玉佛禅寺」の各ブレスレット。入荷すると同時に即完売するほど、入手困難な超レア・アイテムになっている。中国版インスタグラムと呼ばれる「小紅書(RED)」は、女性ユーザーから圧倒的支持を誇るSNSアプリだが、「可愛い、きれい」、「今日、半休をとってやっと手に入れた」、「人気が高くて入手困難。いつも品切れ」、「美しすぎる!」と投稿でも絶賛されているため、その人気に拍車をかけている。
玉佛禅寺内の「文創」店(上海)
確かに、色合いやデザインは一目見ただけで引きつけられるもので、これらブレスレットを求めに来る人は、一本に決められず、たいてい二〜三本入手していく。また、代行入手まで出て来る始末で、すぐに完売するのもうなずける。
ところで、願いごとの内容によって求めるブレスレットの種類も違ってくる。お寺ごとで微妙に異なることもあり、あくまでも参考としてだが、玉佛禅寺の香灰ブレスレットでは、藍色が健康祈願、緑色は厄除け、赤色は縁結び・良縁成就となっている。そして、2023年の一番人気はピンク色の「心想事成(心に想うことは成就する)」という金箔香灰ブレスレットだ。ちなみにこれら数珠ブレスレットの価格は298元(約5800円)〜。
一番人気のある「心想事成」ブレスレット(上海)
もともと上海でもパワーストーンなどのブレスレットをつけている人を多く見かける。とりわけ、2023年は、これまでのコロナ禍を経て、ようやく様々な関連規制が緩和されたため、新しい年への期待も大きい。「今年こそ良い年になりますように」、「健康でいられますように」、「お金がザクザク入りますように」「願いが全て叶いますように」、託す想いは人それぞれでも、常に持ち歩いてご利益を得たいという気持ちはみな同じなのだろう。
玉佛禅寺:上海市普陀区安遠路170号
*最寄駅は地下鉄13号線「江寧路」駅
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